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マグロ新船「働き方改革」労働時間・生産性・安全性に配慮 気仙沼・勝倉漁業 来月にも初出港

乗組員の労働環境に配慮した新造船「第127勝栄丸」
マグロを再凍結させるタンクの説明をする勝倉社長

 宮城県気仙沼市の水産会社「勝倉漁業」の新しい遠洋マグロはえ縄漁船「第127勝栄丸」(492トン)が完成した。漁船員の労働時間の短縮と生産性向上、安全性に配慮した機能を備える。マグロ漁船に働き方改革を導入する取り組みとして、注目を集めそうだ。

 新しい船は、勝倉漁業から発注を受けた新潟市の造船会社が昨年8月に造り始め、今年の5月下旬に完成させた。総工費は約7億5000万円で、7月上旬にも初出港する予定。
 船底近くに保管された冷凍の餌を甲板付近まで運ぶ専用のコンベヤーを導入した。約20人の乗組員全員で1時間かけた手渡しの作業を、3人が約5分でできるようになった。
 冷凍マグロの表面が傷つかないよう再凍結させるタンクの縁には、滑り台のような金属板を敷いた。同社を含む気仙沼市内の漁業関係者がトヨタ自動車東日本(宮城県大衡村)の協力を得て作った装置で、マグロを出し入れする重労働が軽減される。
 乗組員の安全面に配慮するため、甲板の8割近くを屋根で覆った。荒れた海でも波をかぶらずに作業することができるようになり、転落の危険を防ぐ。
 生活環境では船内の天井を従来よりも高くして圧迫感をなくし、船内LANも整備。野菜を通常の冷蔵庫よりも長期保存できるチルド室も作った。
 同社は4隻の遠洋マグロはえ縄漁船を所有。乗組員はインドネシア人も含め計約90人いるが、50〜60代と20代が中心。ベテラン船員の負担を軽くし、過酷な労働に慣れない若い船員が辞めないために船内の改革を進めた。
 船は9日に気仙沼漁港に入港し、地元住民にお披露目された。同社の勝倉宏明社長(51)は「乗組員に優しく生産性も上げられる船。ベテラン船員に長く働いてもらい、若い船員が育ちやすい環境を整えた」と話した。


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2019年06月14日金曜日


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