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<陸前高田市>情報公開料金引き上げへ 「権利制限」懸念の声

 情報公開請求の増加に対処するため、岩手県陸前高田市は14日、行政文書の開示料金を引き上げる情報公開条例改正案を6月定例市議会に提出する。増大する事務量を踏まえて請求者に応分の負担を求める考えだが、情報公開制度に詳しい識者は「市民の権利が制限される」と懸念。「開示事務の在り方そのものを改善したらどうか」と指摘する。

 市条例の現行制度と改正案は表の通り。閲覧するだけなら無料だった制度を見直し、一律300円と文書1枚当たり10円の手数料を徴収する。
 2018年度の開示請求は48件で12年度(10件)の5倍。対象文書は8898枚に上り、12年度(304枚)の29倍に膨らんだ。
 対象文書が計6000枚に及んだケースでは、31部署の職員延べ113人が、非開示部分を塗りつぶす作業などに900時間を要した。
 全国を見ると、中央省庁は請求時や閲覧時に手数料を徴収。仙台市は「行政の透明性確保を優先させる」として条例制定時に手数料の設定を見送った経緯がある。岩手県内で手数料を徴収している市はない。
 戸羽太市長は「決して情報公開を狭めるわけではない。当たり前にかかるものを頂くということ。住民票の交付と同レベル」と理解を求める。
 これに対して、仙台市民オンブズマンの庫山恒輔・元事務局長は「情報公開は行政事務の基本。住民票の交付サービスと同レベルの事務ではない」と批判。「手数料の設定は良識ある市民の権利行使にも影響する」と指摘する。
 早大マニフェスト研究所によると、特定の請求者による大量開示は近年、全国的に増えているという。
 研究所の中村健事務局長は「積極的な情報公開と作業量の間で悩む自治体は多い」と解説。開示事務の負担を軽減するため、行政情報をデジタル化して事前にインターネット上で公開するなどの工夫を呼び掛けている。


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2019年06月14日金曜日


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