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宮城15市町・住宅修繕補助利用5割 戸別訪問の自治体は実績

 東日本大震災で被災した住宅の補修を巡り、宮城県の沿岸15市町が創設した補助制度が活用し切れていない実態が浮かび上がった。支援が必要な被災者一人一人に周知した自治体ほど支給実績が高く、復興期間の終了を見据え、制度の浸透を改めて徹底する自治体も出てきた。(石巻総局・氏家清志)

 東松島市は支給件数が想定の約4割だった。市は大規模半壊以上の修繕に最大100万円を支給する国の加算支援金に触れ「加算支援金のみで再建できた世帯もある」(福祉課)とみる。
 女川町は役場が津波で全壊し住民関連のデータが流失。支給漏れが生じないよう想定件数を大きくした。町住宅再建事業で補修を補助する対象者は、金融機関の融資を受けた被災者に限定。支給件数は想定の2%未満にとどまる。町民生活課は「被災住宅の多くは解体され、補修する住宅がそもそも少なかった」と説明する。
 制度の創設が遅く、申請に必要な工事代金の領収書を既に廃棄したり、なくしたりしたケースもある。山元町は「書類などの不足で申請を見合わせている被災者も少なからずいる」(保健福祉課)と分析する。
 石巻市は昨年度、被災住宅の補修工事に最大76万円を補助する制度を設けた。ダイレクトメール(DM)などで通知したが、想定した2800件のうち、昨年8月末時点で申請は226件と伸び悩んだ。
 市は同9月以降、約1900世帯を戸別訪問したところ、670世帯以上が修繕の意向を示した。生活再建支援課は「仮設住宅と同様に在宅被災者宅に直接働き掛け、丁寧に説明することで申請につながると分かった」と話す。
 支給件数が想定の9割近くに達した多賀城市の場合、対象者をリスト化し、状況に応じ電話連絡や戸別訪問を実施した。「知らなかったとなるのが怖く(電話や訪問が)重複してもいいと考えた」(生活支援課)という。
 2020年度の制度終了を前に、戸別訪問に乗り出す自治体もある。気仙沼市は利用を見込んだが申請していない162件に対し、連絡が取れない世帯には戸別訪問する方針。住宅支援課は「受け付けが終了する来年度までに支給漏れを防ぎたい」と説明する。
 南三陸町は制度を知らない被災者がいる可能性は否めないとして「想定との差の中に、自宅を直し切れない在宅被災者がいないかどうか調べる必要がある」(保健福祉課)と強調する。


2019年06月15日土曜日


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