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被災の海辺、学んで守ろう 札幌の市民団体が仙台でフォーラム

海辺の生態系保護と防潮堤建設の両立について講演する松島講師(右)

 東日本大震災で被災した東北の沿岸部の自然環境を考えるフォーラムが8日、仙台市若林区のせんだい3.11メモリアル交流館で開かれた。札幌市の市民団体「北の里浜 花のかけはしネットワーク」が主催した。参加者は防潮堤の建設や防潮林の植栽が、海辺の生態系に与える影響などを学んだ。

 宮城県内の大学生、被災地の自然保護に取り組む市民団体のメンバーら約40人が参加。海浜植物に詳しい専門家ら3人が講演した。
 北大大学院農学研究院の松島肇講師(景観生態学)は「防潮堤ができたことで波風が強まり、受粉もできないなど植物に過酷な環境に変わった」と指摘。防潮堤を砂で覆い砂丘状にするアイデアを提案し「自然への影響を抑える工夫をすれば、海辺の植生は守れる」と強調した。
 講演後、参加者は若林区の海岸に移動。浜辺に咲くハマヒルガオを観察したり、ハマボウフウの苗を植えるなどし、海岸のごみ拾いにも汗を流した。
 東北学院大4年の横田尚輝さん(21)=仙台市太白区=は「人間の安全か、自然保護かの二者択一しかないと思っていた。両立できる方法を知り、驚いた」と話した。
 ネットワークは震災をきっかけに発足。若林区荒浜や名取市、釜石市の海辺に自生する花の種を採取し、苗を育て、元の場所に植える活動を続けている。防潮堤建設などの影響で海辺の植物が危機にあるとして、現状を知ってもらうためフォーラムを企画した。
 鈴木玲代表(55)は「草花や虫を育む海辺は魅力のある場所。多くの人に海辺の大切さを伝え、環境を守っていきたい」と語った。


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2019年06月15日土曜日


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