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<アイガモロボ>雑草を抑制しコメ作り省力化支援 日産自動車技術者が手弁当で開発

アイガモロボと開発者の中村さん(日産自動車提供)
水田を進むアイガモロボ(日産自動車提供)

 ものづくりの技術で減農薬・省力化のコメ作りを支援しようと、日産自動車の技術者中村哲也さん(45)=仙台市出身=が、アイガモ農法から着想した「アイガモロボ」を手弁当で開発した。ロボット掃除機のように自動で動き、水を濁らせて光合成を阻害して雑草の繁殖を抑える。地域貢献策として企業などへの技術提供も検討する。

 中村さんが農村体験で通う山形県朝日町の「椹平(くぬぎだいら)の棚田」で8日、実証実験をスタートさせた。つや姫を植えた約3アールの水田で6月末ごろまで稼働させ、効果を確かめる。
 アイガモロボは縦横各約60センチ、高さ約25センチで、重さ約1.5キロ。水田をゆっくり、くまなく動き回る。底面のらせん型スクリューが肝で、(1)稲を傷つけずに浮いて進む(2)底の土を巻き上げる(3)バッテリーの熱を間接的に冷やす−といった機能を持たせた。
 水田の隅には基地となる「巣」があり、無線通信Wi−Fi(ワイファイ)や電源の太陽光発電パネルなどを備える。ロボに搭載した衛星利用測位システム(GPS)と位置情報をやりとりし、自動運転する。
 中村さんは大学卒業後の1997年に入社し、電気自動車(EV)の技術開発を担う。友人から「無農薬は草取りが大変。何か考えてほしい」との相談を受けて2013年に開発に着手。技術者仲間らの助力も受けて実用化にこぎ着けた。
 コスト圧縮に努め、外観を除いた製造費は1台5万〜6万円。技術的な改善は今後も続けるが、日産が商品化する予定はないという。中村さんは「地元の農家や企業に賛同いただければ、技術を提供して地域活性化に貢献したい」と話す。
 実証実験の様子は動画投稿サイト「ユーチューブ」で見ることができる。


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2019年06月15日土曜日


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