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<攻防の断面>仙台市議選告示まで2カ月[1]ねじれ議会/多数野党の反発心 刺激

市議会6月定例会で答弁する郡市長(手前左)と見守る藤本副市長(同右)

 東日本大震災後、3回目となる仙台市議選(8月16日告示、25日投開票)は16日、告示まで2カ月に迫った。55議席を巡り現時点で現職47人、元議員3人、新人15人が立候補を予定する。約2年前に旧民進党出身の郡和子市長が誕生し、市と議会の政治力学は一変した。夏の参院選が近づく中で熱を帯びる前哨戦の攻防を追った。
(仙台市政取材班)



 「就任直後の衆院選で政権批判と思われる発言をし、物議を醸した。立場をどう認識しているのか」
 13日の市議会6月定例会代表質疑。21人を擁する最大会派自民党のベテランが市長に向けた言葉に、政権党のプライドがにじんだ。

<市幹部とは良好>
 2017年の市長選で郡氏が初当選し、市議会は長く続いた共産党を除く「オール与党」体制が崩れた。
 郡氏を支援した旧民進、共産、社民各党の議員が属する3会派16人が「与党」を形成。対立候補を推した自民、公明両党など4会派36人は「野党」に転じた。
 「歴代の市長は時の政権と良好な関係を築くことに意を用いた」。ベテランは市政の歩みをたどり、郡氏の政治姿勢をなじった。
 任期半ばで市長と議会のねじれ構図が生まれ、市議選に向けた攻防は4年前と様相が異なる。新たな政治力学の下、最大勢力は微妙な立ち位置を模索する。
 「市長選を境にいいことはいい、悪いことは悪いとはっきり言えるようになった」。泉区の自民現職は5月18日、事務所開きで立場の変化をこう強調した。
 「応援した市長なら支えるべきだが、今は違う」と対決姿勢をにじませたが、会場には郡氏を補佐する藤本章副市長の姿があった。
 別の自民現職も市政報告会に市幹部を招いた。「市長選で戦った人は呼べないが、幹部は別だ」。市役所とのパイプを誇示する戦法は前回と変わっていない。

<共産は与党前面>
 対照的なのは共産党の変貌ぶりだ。
 「皆さんと郡市政を誕生させ、35人以下学級が実現し、市政は前に進んだ」
 市民団体が5月25日、青葉区で開いた討論会。共産現職は党市議団が長年訴えた「悲願」の成就をアピールした。「市立小中高校のエアコン設置を実現した」「市議団の存在感増す」。街頭演説や政策チラシで意気盛んな言葉が踊る。
 「まるで共産だけの手柄のように吹聴している」と自民現職はいら立つ。少数与党の高ぶりが多数野党の反発心を刺激し、郡氏への風当たりが強まる。ねじれは、そんな力学も生んだ。
 郡氏は市議選への態度を明らかにしていないが、与党候補の応援に回らず中立を貫くとの見方が強い。
 郡氏と同じ旧民進出身の現職は、トップの支援をひそかに期待しながらも割り切ったように語る。
 「市長が改選後の議会対策を考え、市議選は動かないと判断すれば尊重するしかない。それが与党だ」


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2019年06月16日日曜日


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