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<攻防の断面>仙台市議選告示まで2カ月[2]立民と国民/国政の遺恨 現場を翻弄

メーデー集会でそれぞれ党勢拡大を誓った立民の岡本氏(中央)と国民の桜井氏(右)

 「働く者が報われる社会に」「働く者の立場で地域と生活を守る」。二つの訴えが雨空ですれ違った。
 4月27日、仙台市青葉区の錦町公園。連合宮城が主催するメーデー集会の前、立憲民主、国民民主の両党県連はそれぞれ街宣車を止め、党国会議員らが集会参加者に向けて呼び掛けた。
 その距離、わずか50メートル。旧民進党を源流とする両党の微妙な関係を象徴するような立ち位置だった。市議会で郡和子市長を支える会派「アメニティー仙台」に所属する両党現職も二手に分かれてマイクを握った。

<訴えもどかしく>
 「自民党に立ち向かうには、バラバラのままでいられない」。国民現職は街頭演説後、最大の支持母体に効果的にアピールできないもどかしさを口にした。
 旧民進は2017年10月の衆院選前に事実上、分裂した。小池百合子東京都知事が創設した希望の党への合流を巡り、小池氏が民進出身者に突き付けた「排除の論理」に反発した議員が立民を結成。衆院選後、民進参院議員が希望などと合流し、国民が誕生した。
 国政の場で生まれた遺恨は、両党の市議選(8月16日告示、25日投開票)立候補予定者を翻弄(ほんろう)する。
 5月17日、青葉区であった立民県連の集会。招かれた国民現職は苦楽を共にした顔触れを前に「なぜ今、自分が来賓の立場でここにいるのか。理解できない」と分裂の後遺症を嘆いた。
 この現職が1万部作製したパンフレットには国民の桜井充参院議員(宮城選挙区)、立民の岡本章子衆院議員(比例東北)の両県連代表の応援メッセージが並ぶ。
 青葉区の立民現職は「党が違ってもポスター張りは協力する」ときっぱり。旧民主党時代からの助け合いを維持し、共同戦線を張る。
 離合集散は国政だけの話ではない。市議会でも17年7月の市長選後、郡氏の対立候補を応援した4人が旧民進系会派「市民フォーラム仙台」を飛び出し、市政野党会派「市民ファースト仙台」の結成に参画した。

<「パイ奪い合い」>
 今回の市議選で旧民進出身は現職8人が立ち、立民と国民の新人5人も参戦する見通し。15年の前回、民主公認で立候補した9人を上回る。
 ルーツは同じでも政党の看板が増えたことで、「身内」の争いはむしろ激化した。現職の一人は「小さなパイを奪い合うばかり。支持層自体を広げなければ苦しい」と表情が険しい。
 共同通信社が15、16日に実施した世論調査では、立民の政党支持率は10.1%、国民は1.2%にとどまる。
 「いったん壊れてしまうと、二度と元に戻ることはない」。民進を離れた無所属ベテランは郷愁を振り払い、現実を直視する。


2019年06月17日月曜日


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