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<岩手・宮城内陸地震11年>栗駒再生の願い力強く 洋画家・故菊地義彦さん作画の紙芝居を上演

菊地さんが絵を描いた紙芝居「白い神馬」の上演会

 12日に88歳で死去した宮城県栗原市一迫の洋画家菊地義彦さんが作画した紙芝居「白い神馬(しんま)」が14日、同市の栗駒山麓ジオパークビジターセンターで上演された。岩手・宮城内陸地震を題材にした作品で、発生から11年の節目に合わせて同センターが企画した。訪れた人たちは、菊地さんの復興への思いが込められた紙芝居に強く引き込まれていた。
 「白い神馬」は、栗駒山の守り主の白馬シロが地震で被災した山と里を再生させる物語。2010年、内陸地震から2年の節目を前に、栗原市一迫の高橋千賀子さん(73)が創作した。
 菊地さんの作中の絵は全19枚で、地滑りでむき出しになった山肌や、被災した町の様子などが描かれている。
 モチーフになったのは、余震が続く地震の直後から被災地で書きためたスケッチ。長男元美さん(55)によると、菊地さんは地震の記憶の風化を懸念して、「手付かずの姿が変わる前に記録しなければ」と足しげく現場に通ったという。
 高橋さんが、初めて菊地さんに紙芝居の作画を依頼したのは02年。栗駒山を題材にした物語を書き上げて相談に行くと、菊地さんは「あんだも栗駒山が好きだから書くんだべ」と、二つ返事で快諾してくれたという。亡くなるまでに「白い神馬」を含めて4作品の作画を手掛けた。
 8日に見舞いに行った時の会話が最後になった。「おめ、あいづ(紙芝居)を続げらいん」。高橋さんは、「亡くなったのは残念だが、栗駒山の(残雪の)駒姿が奇麗なこの時期というのは義彦先生らしい」と話す。
 14日の紙芝居は、観光客や地元福祉施設の利用者らが観賞した。白馬の絵に生きる力強さを感じたという栗原市栗駒の女性(81)は、「栗原を愛して、栗原から芸術を発信してくれた」と菊地さんに感謝する。
 高橋さんが座長の「いちはさま紙芝居一座」は、菊地さんの作画した紙芝居「あやと駒っこ」を23日午前10時から、一迫山王史跡公園で開催中の「あやめまつり」で上演する。


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2019年06月17日月曜日


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