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<地上イージス>秋田で調査ミス発覚、山口・阿武町に波紋広げる

秋田での数値ミス発覚後に開かれた住民説明会。防衛省への不信感を募らせる発言が目立った=14日、山口県阿武町

 防衛省が導入を進める地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」に関し、秋田市の陸上自衛隊新屋演習場の現地調査報告書でお粗末な数値ミスが発覚した問題が、もう一つの候補地の陸自むつみ演習場(萩市、阿武町)を抱える山口県側に波紋を広げている。(秋田総局・渡辺晋輔)

 阿武町で14日夜開かれた住民説明会は防衛省の謝罪から始まった。中国四国防衛局の赤瀬正洋局長が数値ミスに加えて秋田市での説明会で職員が居眠りしたことに触れ、「不手際があった。山口の皆さまにも不安を覚える人は多くいると思う。大変申し訳ない」と陳謝した。
 続けて防衛省の五味賢至(たかし)戦略企画課長が「あってはならないミス」と述べた。一方で「山口の資料には秋田のような大きなミスはない」と理解を求めた。
 しかし、住民からは「信頼を失った。地元理解が深まるわけがない」と厳しい声が相次いだ。「むつみ演習場へのイージス・アショアの配備に反対する阿武町民の会」の吉岡勝会長(66)は「なぜこんな簡単なミスをするのか。本気で考えているのか」と憤った。
 日本海に面する同町では、むつみ演習場に配備されれば頭上をミサイルが飛ぶのではとの懸念が広がる。
 「町民の会」は2月に380人の会員でスタートし、懸念を背景に今月14日現在1614人にまで膨らんだ。人口3300の町のほぼ2人に1人が会に名を連ねたことになる。
 約150人が出席した14日の住民説明会には、花田憲彦町長の姿もあった。昨年9月、秋田・新屋と山口・むつみの両候補地の自治体トップとして初めて配備反対を表明した。
 阿武は「典型的な過疎地域」の町だが、長年定住対策に力を入れてきた。1998〜2007年の社会減が333人だったのに対し、08〜17年は4人の減少にとどめたとの自負がある。
 それだけに、花田町長は配備が町の将来に影響しかねないと心配している。新屋演習場に関する調査での数値ミスについて「多くの人が悩んでいるのに安直なものが出てきた。こんなことがあるのか」と驚く。「人為的だと言うが、人為的なミスこそ大きなミスのはずだ。信頼を失墜させる大きな事態だ」と強調した。


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2019年06月18日火曜日


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