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<攻防の断面>仙台市議選告示まで2カ月[4]亥年の選挙/中断、選挙疲れ 悩む新人

雨の中、出勤途中の有権者に手を振り浸透を図る太白区の新人

 東日本大震災後、3回目となる仙台市議選(8月16日告示、25日投開票)は16日、告示まで2カ月に迫った。55議席を巡り現時点で現職47人、元議員3人、新人15人が立候補を予定する。約2年前に旧民進党出身の郡和子市長が誕生し、市と議会の政治力学は一変した。夏の参院選が近づく中で熱を帯びる前哨戦の攻防を追った。(仙台市政取材班)



 ただ、ひたすら手を振り続ける。7月の「中断期間」まで…。
 5月29日朝、仙台市太白区の市八木山動物公園前。市議選(8月16日告示、25日投開票)に立候補予定の無所属新人は笑顔で通勤途中の有権者を見送った。
 3月から日課のように続ける朝活動は、7月4日公示、21日投開票が確実視される参院選の期間中、封じられる。公選法の規定で、参院選以外の紛らわしい政治活動が制限される。
 高校を卒業し、20年以上も仙台を離れた。確たる地盤も知名度もなく、朝のつじ立ちが前哨戦の主力戦術だ。「中断期間は市議選直前の大事な時期。一体、何をすればいいのか」と新人は焦りの色を隠さない。

<震災で日程逆転>
 今年は12年に1度、参院選と統一地方選が重なる「亥年(いどし)選挙」に当たる。県内では東日本大震災で日程がずれた仙台市議選、秋の県議選などが重なる。
 12年前の2007年までは市議選が先にあり、参院選は後だった。市議選が国政の前哨戦とされ、各党も勢力を傾注し、有権者の関心を高めたこともあった。
 震災で日程が逆転し、初めて行われる今回の市議選で、候補予定者は活動スケジュールに頭を悩ませる。
 若林区に立つ無所属新人は「中断期間」に向け、手を打ち始めた。街頭活動を前哨戦の主軸に据えてきたが、企業の朝礼に顔を出したり、子育て世代とのお茶会を企画したり、衆院議員秘書時代の経験や人脈を生かした対策を講じる。
 それでも「3週間も街頭活動を休んだら忘れられてしまう…」と新人ゆえに不安をぬぐい去れずにいる。

<組織をフル回転>
 7月、8月と続けざまの選挙で、組織をフル回転させる公明、共産両党の候補予定者は支持者やスタッフの選挙疲れを心配する。
 共産は参院選比例代表に元党仙台市議を擁立する。市議選で太白区に挑戦する新人は「一緒に街頭演説できる利点はあるが、参院選で支持者が疲れてしまえば意味がない」と懸念する。
 「首相、同日選見送り」「公明に配慮」−。今月11日以降、衆参同日選が遠のいたと新聞各紙が報じる。
 「ほっとした」。公明現職は胸をなで下ろすも「市議選はお盆期間中に告示される。支持者が疲弊してしまう」と悩みは尽きない。
 市選管は8月27日の任期満了までの間で、最も遅く行われる日程を選択した。「過去最低の投票率を記録するだろう」などと、市選管の判断には批判的な意見が相次ぐが、ベテラン現職はひそかにほくそ笑む。
 「参院選が終われば8月6日に仙台七夕まつりが始まり、そしてお盆が来る。新人は浸透を図れず、固定票のある現職に有利だ」


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2019年06月19日水曜日


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