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<地上イージス>国会最終盤、焦点に浮上 参院選秋田に逆風、自民恐々

岩屋防衛相(左)にイージス・アショアに関する申し入れをする冨樫氏(右から3人目)ら=17日、秋田県庁

 夏の参院選に直結する国会最終盤の攻防で、地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備計画が大きな焦点に浮上した。秋田市の陸上自衛隊新屋演習場を「適地」とした防衛省の調査に相次いでミスが発覚。野党は参院選での争点化を狙って攻勢を仕掛ける。自民党は防衛省批判を強め「火消し」に躍起だが、選挙戦への悪影響の懸念は拭えない。せめぎ合いは激化する様相だ。(東京支社・吉江圭介)

 「防衛省の信頼性は損なわれた。配備計画を白紙撤回すべきだ」。18日の衆院安全保障委員会で、衆院秋田2区を地盤とする国民民主党の緑川貴士氏(比例東北)がただした。
 岩屋毅防衛相は謝罪を繰り返しつつ、新屋演習場を配備候補地とする考えを頑として変えなかった。

<止まらぬ失態>
 配備計画を巡っては、新屋以外で検討したとする国有地に関する仰角の算出ミスに加え、住民説明会で防衛省の職員が居眠りをする失態が続いた。調査結果に記載した山の標高の誤りも18日に分かり、恥の上塗りが止まらない。
 参院選に向け、野党は老後資金2000万円問題などと併せ、イージス・アショア問題も世論を引きつける争点と位置付ける。
 矢面に立たされる岩屋氏は17日、秋田県を訪ね、佐竹敬久知事らに頭を下げた。会談後、県庁に突然現れたのは、自民党秋田県連の冨樫博之会長(衆院秋田1区)ら県連幹部だった。
 「職員の居眠りは言語道断」と冨樫氏。知事が抗議した言葉を引用し「マイナスからのスタートという気持ちで臨んでほしい」と強く迫った。
 厳しい姿勢を演出する背景には、参院選秋田選挙区(改選数1)の構図が透ける。自民は現職の中泉松司氏(40)が再選を目指す。挑むのは野党統一候補で無所属新人の寺田静氏(44)。イージス・アショア配備反対を主張する。

<東北の「鉄板」>
 自民党は参院選公約で「外交・防衛」の実績を第一に掲げた。その「防衛」での失態。逆風がにわかに巻き起こった形だ。
 2016年参院選で、自民が東北6選挙区で唯一守ったのが秋田だった。勝敗を左右する1人区のうち「鉄板」を落とすようなことがあれば、安倍政権に少なからず打撃となる。
 「防衛省のオウンゴールの連発だ。東京から地方にマイナスになる環境をつくってほしくない」。前哨戦の最前線に立つ党秋田県連の佐藤雄孝幹事長は危機感を隠さなかった。


2019年06月19日水曜日


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