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<新潟・山形地震>烈震、庄内観光に打撃 酒瓶数千本割れ、温泉も休止

地震で割れた大量の酒瓶を、手作業で片付ける従業員=19日午後2時45分ごろ、鶴岡市大山3丁目の加藤嘉八郎酒造

 鶴岡市で震度6弱を観測した18日深夜の新潟・山形地震は、日本酒や温泉といった山形県庄内地方を代表する観光資源にも打撃を与えた。避難した住民は先行きへの不安を隠せず、各地でブロック塀の倒壊なども発生した。

 江戸時代の天領として栄えた酒蔵の町、鶴岡市大山地区では出荷前の日本酒が大量に失われ、あつみ温泉は温泉水供給施設の破損で全ての旅館が当面、営業を見合わせることになった。庄内の観光を襲った試練に、関係者の落胆と焦りが深まる。
 四つの老舗酒蔵が集まる大山地区では、出荷前の一升瓶が割れる被害が相次いだ。加藤嘉八郎酒造では従業員総出で砕けた瓶の後片付けに当たった。担当者は「数千本単位で割れている」と嘆いた。
 渡会本店でもこぼれた酒の匂いが漂う中、従業員が大量の破片の処理に追われた。併設している酒造資料館も展示物が壊れるなどしたため休館した。
 酒田市の酒田酒造では、冷蔵庫で貯蔵中の四合瓶や一升瓶計約200本が割れた。佐藤純製品統括係長は「積み上げていた出荷直前のケースが崩れた。地震でこれだけの被害が出たのは記憶になく、大きな痛手だ」と肩を落とした。
 日本海近くの立地で、多くの宿泊客を集める温泉地も大きな被害に見舞われた。あつみ温泉では、くみ上げた温泉水を七つの旅館と共同浴場3カ所に分配する設備が破損し、温泉の供給が停止した。
 あつみ観光協会によると、配管が壊れているとみられ、設備のタンクからは温泉水が周囲に流出し続けている。供給再開の見通しが立たないなどの理由で、全旅館が当面、営業を見合わせるという。
 老舗旅館「萬国屋」は屋根の一部が落下。大浴場の配管に水漏れが起きたり、玄関のスプリンクラーが作動して水浸しになったりする被害もあった。
 庄内地方ではJR東日本などが10〜12月、大型観光宣伝「新潟県・庄内エリアデスティネーションキャンペーン(DC)」を展開する予定だけに、関係者のショックは大きい。
 萬国屋の佐藤太一社長は「お客さまに大きなけががなかったのが不幸中の幸いだった。DCに向け庄内観光を盛り上げられるよう頑張っていきたいところだったが、天変地異は仕方がない」と悔しそうに話した。
 鶴岡市は19日、市内の酒蔵の営業再開や、あつみ温泉の供給設備の復旧に向けて支援を求める要望書を県に提出した。


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2019年06月20日木曜日


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