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<文化審答申>伊達氏梁川遺跡群(伊達)国史跡に 本丸跡庭園、往時の姿

往時をしのばせる本丸跡庭園「心字の池」

 国の文化審議会は21日、弘法大師空海が修復工事に関わった国内最大級のため池「満濃池」(香川県まんのう町)など3件を新たに名勝に指定し、保護するよう柴山昌彦文部科学相に答申した。戦国大名・真田氏ゆかりの岩櫃城(いわびつじょう)跡(群馬県東吾妻町)や伊達氏梁川遺跡群(伊達市)など8件を史跡にすることも求めた。年内にも答申通り告示される。
 満濃池は8世紀初めの築造とされる。讃岐山脈を背景に広大な水面をたたえ、北岸は緩やかな曲線、南岸は入り組んだ峡谷を刻むなど、古くから景勝地として知られる。田植えシーズンに水門を開放する「ゆる抜き」は初夏の風物詩だ。
 岩櫃山の中腹に築かれた岩櫃城は、真田氏の拠点の一つ。堀や土塁を大規模に配置した防御性の高い構造で、上杉氏ら有力大名との攻防の舞台となった。保存状態も良く、江戸時代初期の廃城時の様子をとどめている。
 文化審議会はこのほか、耶馬渓(やばけい)の景観を生かした「平田氏庭園」(大分県中津市)など3件を登録記念物に、防風林による緑豊かな住環境が特徴の「今帰仁村今泊(なきじんそんいまどまり)のフクギ屋敷林と集落景観」(沖縄県今帰仁村)を重要文化的景観とすることも求めた。
 溶岩ドームが特徴的な「青野山」(島根県津和野町)は名勝と天然記念物への指定を求めた。
 告示後は、史跡・名勝・天然記念物が計3280件、登録記念物112件、重要文化的景観65件となる。

 伊達氏梁川遺跡群は仙台藩祖・伊達政宗ゆかりの伊達氏が1532年ごろまで本拠地とした館跡や梁川城跡、その城下で構成される。家臣のものとみられる館跡や社寺跡、庭園が良好な状態で残され、建物の様式の変遷をたどることもできる。
 梁川城跡は11代持宗(1393〜1469年)から14代稙宗(1488〜1565年)までの本拠地。現在は学校の敷地として利用されているが、堀や土塁なども一部現存し、復元された本丸跡庭園「心字の池」が往時の姿をとどめる。
 1978年に始まった発掘調査では14〜18世紀の遺構が出土した。15世紀末〜16世紀初め、城下などで大火があった痕跡が認められるという。
 須田博行伊達市長は「遺跡群は市の誇り。地域住民と共に大切に保存し、歴史教育や観光の拠点となるよう活用の方法を検討したい」と述べた。


文化審議会の答申内容

 【史跡の新指定】伊達氏梁川遺跡群(伊達市)▽岩櫃城跡(群馬県東吾妻町)▽下総佐倉油田牧跡(千葉県香取市)▽墨古沢遺跡(千葉県酒々井町)▽本ノ木・田沢遺跡群(新潟県津南町、十日町市)▽水軒堤防(和歌山市)▽若杉山辰砂採掘遺跡(徳島県阿南市)▽紫雲出山遺跡(香川県三豊市)
 【名勝の新指定】西山氏庭園=青龍庭(大阪府豊中市)▽満濃池(香川県まんのう町)
 【天然記念物および名勝の新指定】青野山(島根県津和野町)
 【登録記念物の新登録】旧林氏庭園(愛知県一宮市)▽八束氏庭園(松山市)▽平田氏庭園(大分県中津市)
 【重要文化的景観の新選定】今帰仁村今泊のフクギ屋敷林と集落景観(沖縄県今帰仁村)


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2019年06月22日土曜日


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