宮城のニュース

<いしのまき復興マラソン>愛と元気届けたい テーマ曲歌うART−MAIさん

大会テーマソングを初披露したART−MAIさん

 歌い終わり、涙があふれた。いしのまき復興マラソンに今回初めて採用された大会テーマソングが23日、会場の石巻市総合運動公園に流れた。歌ったのは東日本大震災をきっかけに歌手を志した女性シンガー・ソングライター。夢の一端を最大被災地でかなえた。
 ∧世界には、きみ以外には誰も歩むことのできない唯一の道がある∨
 熱気が漂う会場にART−MAI(アート・マイ)さん(41)=東京=が伸びやかな歌声を響かせた。被災地をもっと明るく。もっと元気に。「みんなの心に届いて」と祈りを込めて曲を作った。タイトルは「MIRAI」。
 震災が人生を変えた。あの日、津波が仙台空港を襲う映像を見て衝撃を受けた。「生きていることは当たり前ではない。自分は何のために生きるのか」
 忘れていた歌手への思いがよみがえり、都内の広告代理店を退社した。
 子どもが2人いた。周囲から「母親業に専念すべきだ」などと猛反対された。諦めなかったのは「心の原点」となった震災の記憶と被災地への思いだった。
 昨年、念願のデビュー。「MIRAI」は今年2月に制作した。
 <凍(い)てつくシーツ、塞(ふさ)ぎこみ、震えおさえている>
 印象的なメロディーラインに、震災直後の被災地を描写した歌詞を乗せた。
 いしのまき復興マラソンとの縁は偶然訪れた。今年3月、東京で母親の起業を支援するイベントに参加した。被災地への思いを語り、「MIRAI」を歌った。その様子が大会関係者の目に留まった。
 写真家でもある。4月に石巻市大川小の旧校舎や日和山を訪ね、傷痕をカメラに収めた。被災地を伝える写真展を開くことも夢だ。
 歌声には被災地と共に歩もうという思いがにじむ。「頑張っている人たちの心に寄り添える曲を書いていきたい。歌を通して愛と元気、勇気を届けたい」


2019年06月24日月曜日


先頭に戻る