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<鳴動 参院選東北>新たな火種/2000万円・イージス 攻防

仙台市内で行われた街頭演説を背景に、金融審報告書に関して記者会見する麻生太郎金融相(右上)と佐竹知事に頭を下げる岩屋防衛相(左下)のコラージュ

 決戦前夜に現れたほころびを巡って、政権幹部らが釈明に追われる。
 「報告書の数字は極めて乱暴な数字だ」。山形選挙区(改選数1)に立つ自民党現職の総決起大会が山形市であった22日。駆け付けた政調会長岸田文雄は、金融庁に矛先を向けた。
 95歳まで生きるには夫婦で2000万円の蓄えが必要と試算した金融庁金融審議会の報告書が、間近に迫った選挙戦を直撃している。与党側は新たな懸念材料に焦りを募らせる。
 山形には23日も経済再生担当相茂木敏充が入った。自民山形県連が同市で開いたセミナーに出席し、「野党は不安をあおるばかりだ。政治の正しい姿勢ではない」と語気を強めた。

■ 与党いらだち

 もう一つの火種が保守地盤を揺るがす。防衛相岩屋毅は17日、秋田県庁を訪れ、地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」配備計画の調査ミスに関して、知事佐竹敬久に深々と頭を下げた。
 岩屋が謝罪に訪れる前には岸田、地元出身の官房長官菅義偉が、秋田選挙区(改選数1)に立候補する党現職のてこ入れに相次いで参戦。選挙戦への影響を最小限に食い止めようとする党の戦略がにじんだ。
 2007年参院選で第1次安倍政権は「消えた年金」問題で追い込まれた。同じ亥(い)年選挙直前の相次ぐ不手際に、身内にもいらだちが募る。
 「今回ばかりは言い訳無用だ」と憤るのは自民秋田県連関係者。宮城県連幹部は「今は小さな種火だが選挙になれば一気に燃え盛る。それだけの印象がある」とつぶやいた。

■ 野党は息巻く

 守勢を強いられる政権に対し、立憲民主党は内閣不信任案提出を野党各党に持ち掛けた。衆院解散が見送られ、同日選がなくなったことも後押しし、反転攻勢に打って出た形だ。
 立民代表枝野幸男は14日、八戸市中心部でマイクを握り、政権批判を展開。青森選挙区(改選数1)に立つ党新人も老後資金問題を「国民に対する安倍政権の不誠実さの表れだ」と非難した。
 立民宮城県連は参院選向けのビラの内容を差し替え、老後資金問題を新たに盛り込む考えだ。同県連幹部は「有権者の関心は高い。この問題は埋没させない」と息巻く。
 東北6選挙区で自民現職との一騎打ちを演じる野党統一候補。老後資金やイージスの問題を「政権のおごり」「安倍1強の弊害」と位置付けて攻撃を仕掛ける構えだが、敵失に乗じる以外の有効な手だては打ち出せていない。
 「臭い物にふたをし、都合の悪い情報を出さない。自民に代わる選択肢を、という声は確実にある」と力を込めるのは国民民主党秋田県連幹部。風は吹くのか。夏の戦いが迫る。
(敬称略)


2019年06月25日火曜日


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