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覚醒剤事件の再犯率は6割超 「精神依存」回復に壁

 薬物犯罪のうち7割を占める覚醒剤事件は再犯率が6割を超え、依存性の高さが指摘されている。依存を乗り越える手だてはあるのか−。薬物依存症のリハビリ施設「仙台ダルク」(仙台市)の飯室勉代表(55)は「薬物に頼る心の闇に向き合う『治療』をしなければ、再び手を出してしまう」と強調する。
 自身も薬物依存に苦しんだ過去を持つ飯室代表は覚醒剤を絶ち、24年になる。「誰しもが人に言いたくない過去やコンプレックスを抱えているが、依存者はそのストレスを上手に発散できず、薬物の快感でごまかしてしまう」と言う。
 覚醒剤をはじめ依存性のある薬物は離脱症状の苦痛を避けるために使用を繰り返す「身体依存」、脳が快感を忘れられず執着する「精神依存」を招くとされる。刑務所で身体依存を脱しても出所後に再び使用してしまう人が多いのは、精神依存からの回復に高い壁があるためだ。
 13日に仙台地裁であった40代男の公判。被告人質問で男は「覚醒剤は年数回、気晴らしで使っただけ。欲求はコントロールできる。意思を強く持って薬をやめる」と強調した。
 専門機関への相談について「考えていない」と述べた男に対し、裁判官は「自分でコントロールできると思っているうちは(使用を)繰り返しますよ」と諭した。自制心だけで依存を克服するのは容易ではない。
 ダルクでは、依存症の当事者同士が集うミーティングを通じた回復プログラムを提供している。
 当事者は「またやってしまった」と罪悪感を繰り返し抱き、自己肯定感を持てなくなっているという。飯室代表は「薬物に頼る正直な動機を他者に打ち明け、ありのままの自分を肯定できるかが回復の鍵になる」と語る。


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2019年06月26日水曜日


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