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ムカデ絵馬2万3477枚を収蔵 角田・福応寺に展示施設完成、養蚕の歴史後世に

福応寺の境内に完成した収蔵展示施設
ムカデにネズミが退散する様子を描いた絵馬(角田市教委提供)

 角田市鳩原の福応寺が、ムカデを描いた絵馬2万3477枚の収蔵展示施設を境内に建設し、30日に一般公開を始める。ムカデは養蚕の守り神とされ、多くの農家が寺の毘沙門堂に絵馬を奉納していた。地域が主体となって絵馬の調査を手掛け、施設の開設につなげた。今後も地元住民が施設管理や来館者へのガイドで協力する。
 仙南地域では明治時代を中心に養蚕が盛んで、絵馬は江戸時代後期から昭和50年代にかけて奉納された。収蔵展示施設は国などの補助を受けて建設した。約300枚を展示室の壁に並べ、残りは別室に保管する。展示は一定期間ごとに入れ替える。
 絵柄は多様だ。蚕を襲うネズミをムカデが退散させる様子のほか、毘沙門堂の祭りと大きなムカデの組み合わせなどが描かれている。奉納者が住む地域を記した絵馬も多数あり、県内外の各地から寺を訪れていたことが分かる。
 佐藤隆信住職(70)は「養蚕の守り神への信仰を後世に伝えるため、しっかりと保存しなくてはならない」と語る。
 絵馬は地元住民の有志が保存を目指し、1991年に絵柄の調査や文字の解読などを進めた。2010年に再び実施し、市教委は絵馬一覧のデータベース化やデジタル写真の撮影を手掛けた。12年に国指定重要有形民俗文化財に指定され、寺と住民が収蔵展示施設の建設を計画した。
 施設の完成に伴い、住民グループ「毘沙門さん絵馬保存会」が発足。展示作業を手伝い、佐藤住職らとガイドも担う予定だ。渡辺誠会長(67)は「古くから続く絵馬の文化を発信したい」と話す。
 30日は午前10時から落成式があり、絵馬が公開される。観覧料300円。


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2019年06月27日木曜日


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