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ローマ法王に手紙「サン・ファン号視察を」 400年前に交流のあった石巻への訪問を熱望

係留中のサン・ファン号
ローマ法王に宛てた手紙のコピー

 東日本大震災の被災体験をつづった手記や歌集の英訳本をローマ法王庁(バチカン)に送った東京の出版社代表が、ローマ法王に対し、宮城県石巻市にある慶長遣欧使節復元船「サン・ファン・バウティスタ号」の視察を呼び掛ける手紙を新たに送った。

 手紙を出したのは、東京で電子書籍などを企画出版するヒロエンタープライズ代表谷代(やしろ)浩さん(48)。
 今年5月に法王フランシスコに宛てた手紙で「日本から初めてバチカンに使節団を送ったのは仙台藩祖伊達政宗」と紹介。11月下旬に予定される法王の来日に合わせ、使節団長の支倉常長らが出帆したとされる石巻市の月浦や、復元船があるサン・ファン館、門脇小などの震災遺構の視察を要望した。
 秋の来日の際、法王は被爆地の広島や長崎を訪れ、被爆者に祈りをささげる見通し。震災の被災者との交流も検討しているとされるが、詳しい日程は明らかにされていない。
 美里町に父の実家がある谷代さんは被災地の惨状に心を痛め、河北新報社を通じて被災者の震災体験の原稿を募り、2014年3月に10作品を出版した。うち8作品を翌年に英訳して、バチカンに送ったところ、東京の法王庁大使館を通じて、法王の謝意を伝える手紙が届いた。
 谷代さんは「震災から8年が経過してもなお、東北の被災地では震災の痛手から立ち直れない被災者がたくさんいる。400年前の絆を確かめながら、最大の被災地である石巻で祈りをささげていただければ、どれだけ慰めとなり、心の支えになることか」と話している。

[サン・ファン・バウティスタ号] 伊達政宗の命を受けて建造され、支倉常長ら慶長遣欧使節団が乗った洋式の木造帆船。スペイン語で「洗礼者聖ヨハネ号」の意。慶長三陸地震の大津波で仙台藩が被災した2年後の1613年に、石巻市の月浦を出港。支倉は15年、ローマ法王パウロ5世に謁見(えっけん)し、宣教師派遣などを求めた政宗の親書をささげた。船は1993年に復元された。


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2019年06月28日金曜日


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