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古里・女川の支援続ける洋画家佐藤幸子さん 来月3日から仙台で個展

「希望を届けられる作品に」とキャンバスに向かう佐藤さん=仙台市青葉区の自宅
作品「照耀松島」

◎キャンバスに広がる希望 三陸の海、日の出力強く

 河北美術展顧問で日展会友の洋画家佐藤幸子さん(78)=仙台市青葉区=の油絵展「希望と共に」が7月3日、青葉区の仙台三越本館7階アートギャラリーで始まる。宮城県女川町で育ち、東日本大震災の津波で実家を失った佐藤さんが、被災地に希望を届けたいと4年ぶりの個展に願いを込める。9日まで。
 佐藤さんは現在、自宅アトリエでキャンバスに向かい、花をモチーフに最後の作品作りに絵筆を握る。これまで描いた三陸の海の風景も合わせ約35点を展示する予定で、うち「照耀(しょうよう)松島」は100号の大作。松島湾の日の出を力強く描き、2018年の日展で22回目の入選を果たした。
 「明るく希望あふれる作品を目指した。震災から8年が過ぎたが、立ち直れずにいる人にも見てもらえたらうれしい」と語る。
 他に中学生の時に女川の入り江を描いた水彩画「海」を展示し、21歳で山道に咲くヤマブキを情熱的な色使いで描いた油絵「萌(も)える」もパネルで紹介。思い出の作品で60年を越える画業を振り返る。
 佐藤さんは女川の子どもたちに毎年クリスマスカードを送るなど、古里の支援を続けている。震災後は絵の収益を図書購入費として贈ったり、3校を再編した女川小を慰問して児童と交流したりした。「大変な思いをした子どもたちに逆に励まされた。再び絵が描けるのか悩んだ時期もあったが、創作の意欲をもらっている」と感謝する。
 個展の収益の一部は、女川の中学生が始めた津波の教訓を後世に伝える「いのちの石碑プロジェクト」に寄付される。


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2019年06月28日金曜日


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