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<参院選東北>比例が主戦場、公明と共産 「共闘」埋没と紙一重

街頭でマイクを握る公明の比例現職(中央)の応援に、宮城選挙区の自民現職(右)が駆け付けた=23日、仙台市宮城野区
街頭演説で結束をアピールする共産の比例新人(中央)と宮城選挙区の立民新人(左)ら=16日、仙台市青葉区

 7月4日公示、21日投開票の参院選東北6選挙区(改選数各1)で、比例代表が主戦場の公明、共産両党がそれぞれ他党との連携に力を入れている。両党は、各地域に根を張る組織力が強み。選挙区との連動に活路を見いだすが、他党共闘という「現実路線」が独自色を薄めるジレンマも抱え、党勢拡大は一筋縄ではいかない。

<公明/政策実現強みを前面>

 「政権が安定していて初めて政策を実行できる」
 仙台市青葉区の東京エレクトロンホール宮城で24日にあった公明の講演会で、井上義久副代表(衆院比例東北)は自民党との連立政権の安定性を前面に押し出し、支持を訴えた。
 宮城選挙区で4選を狙う自民現職と比例で再選を期す公明現職が両手でがっちり握手。「事実上の総決起集会。成功だ」。庄子賢一宮城県本部代表は手応えを口にした。
 公明が自民と連立を組んで20年。「選挙区は自民、比例は公明」の訴えは定着した感もある。強固な連帯は、10月の消費税増税に伴う軽減税率導入など看板政策の実現を後押しする。
 一方で埋まらない溝も浮き彫りになる。安倍晋三首相が参院選の争点として強調する憲法改正には「今はその段階にはない」(山形県本部幹部)と慎重姿勢を崩さない。
 与党の強みと党の理念との間で揺れる公明。前回2016年参院選の比例は東北で48万票を得た。17年衆院選は1万5000票減らし、14年に続く東北2議席に届かなかった。
 票の上積みに懸命な公明が気に掛けるのは、野党が争点化をもくろむ「老後資産2000万円問題」。宮城県本部関係者は「野党に追い風が吹かないでほしい」と警戒する。

<共産/支持に厚み意義強調>

 仙台市青葉区の仙台国際センターで23日にあった共産の演説会。支援する宮城選挙区の立憲民主党新人を前に、共産の山下芳生副委員長が熱弁を振るった。「共闘が広がり、共産も躍進する」。連携の意義を強調した。
 2016年参院選で東北の野党勢力は選挙区候補を一本化し、5勝1敗の大勝。福島県委員会の町田和史委員長は「異なる政党が一緒に戦うことで支持に厚みが生まれる」と振り返る。
 15年知事選から共闘関係が続く岩手で共産はさらに活気づく。小池晃書記局長は2日に一関市総合体育館であった党の演説会後に「岩手を最重要区と位置付けて戦う」と力を込めた。
 共産が選挙協力に熱心なのは、自公が政権を奪還した12年衆院選以降、野党票が与党票を上回る逆転現象が各地で起きているからだ。一本化で非自民票の分散は避けられている。
 反面、生活や福祉分野などで掲げる独自政策の存在感は薄まっているのも事実だ。宮城県委員会関係者は「相乗り政策が目立ち、昔からの支持者が離れないか心配だ」と気をもむ。
 選挙区候補を取り下げた影響は大きく、16年参院選で39万票だった東北の比例票は、17年衆院選で31万票と大きく減らした。今回の参院選は、共産が共闘効果を生かせるかを見極める試金石となりそうだ。


2019年06月28日金曜日


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