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「逃げる意識強く持って」宮城の被災者訴え 福井で体験を聞く会

被災体験を聞く会で、来場者は宮城県の語り部の報告に熱心に耳を傾けた=28日午後6時すぎ、福井市の福井新聞社

 防災キャンペーン「いのちと地域を守る」に取り組む河北新報社は28日、福井新聞社(福井市)との共催で「東日本大震災を忘れない〜被災体験を聞く会」を同社で開いた。この日は戦後3番目となる3769人の犠牲者が出た福井地震(1948年)から71年。今月18日の新潟・山形地震から日も浅く、来場者約100人は真剣な表情で、宮城県から訪れた津波被災者ら4人の訴えに耳を傾けた。
 東北福祉大3年の志野ほのかさん(20)=石巻市=は、故郷の東松島市野蒜にあった自宅が流失し、祖父が津波の犠牲となった体験を報告。「地震が起きたらとにかく逃げる意識を強く持って」と呼び掛けた。
 東松島市で夫と津波に流されたものの生還した潜水土木会社役員安倍志摩子さん(57)=大崎市=は「水の怖さを熟知しているつもりだったが波にのまれた。私の過ちを糧として逃げてほしい」と強調した。
 震災当時、気仙沼市で消防署員として消火・捜索活動に尽力した一方、津波で妻が犠牲となった佐藤誠悦さん(67)は「火の海に仲間と立ち向かった。震災の悲劇を伝えるのは生きている者の使命だ」と訴えた。
 広井悠・東大准教授は津波火災の発生メカニズムを解説した。
 震災被災者ら4人は29日、福井県坂井市の三国地区で住民らと行う模擬避難訓練に参加する。同地区はかつて北前船が寄港した港町で、県想定で最大で8.68メートルの津波が襲来する恐れがある。続く「むすび塾」では訓練や県想定を踏まえ、今後への備えを議論する。


2019年06月29日土曜日


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