山形のニュース

<南東北 つながる未来>第1部・観光(2)雪は宝 訪日客呼び込め

月山スキー場で雪に親しむ中国人のツアー客=5月、山形県西川町

<夏スキー満喫>
 「この季節にスキーができるなんて、本当に素晴らしい」。中国のスキー競技関係者らが歓声を上げた。
 5月下旬、夏スキーで知られる山形県西川町の月山スキー場。一行は県内に1週間ほど滞在し、温泉と食を満喫した。
 ツアーを企画した「和楽旅行社」(仙台市)の阿部素子社長(38)は「台湾や東南アジア各国では雪への関心が非常に高い。さらに中国では今後、ウインタースポーツ人気が上昇する可能性が高く、オフシーズンも滑走可能なのは格好のアピール材料」と強調する。
 東北6県の外国人延べ宿泊者数は昨年、過去最多の約121万人に上った。山形県は約12万5000人で、前年比27%増は全国7番目の伸びだった。ただ、全国の中で6県の宿泊者数は1.5%にすぎず、他のエリアに大きく水をあけられている実態は変わらない。
 阿部社長が訪日外国人旅行者(インバウンド)誘致の好機とみるのが、南東北3県を結ぶ環状高速道の誕生だ。仙台、山形両空港へのアクセスが向上した。
 「県境を意識しない外国人に対し、両空港を拠点に山形の蔵王や天元台、さらには南東北に点在する雪の魅力を伝える多様な周遊ルートが不可欠になる」
 阿部社長は、中国が2022年の北京冬季五輪を踏まえ「冬季スポーツ人口3億人」を数年後の目標に掲げている点に着目。「スキーを糸口に魅力ある旅行商品を作れば、中国人旅行者の潜在需要を掘り起こせる」と先を見据える。

<滞在型を整備>
 山形県飯豊町は、雪を武器にインバウンド誘致を積極的に進めている。
 町観光協会は09年から台湾にターゲットを絞ってスノーモービル体験など、多彩な雪遊びを売り込む。今年1〜3月の実績は、同時期で過去最多となる約4000人と好調だ。
 現在は新潟空港経由の観光客が大半を占めるが、今後は、つながった環状高速道を生かした誘客に力を注ぐ考えだ。
 町観光協会の二瓶裕基事務局長(45)は「国内よりインバウンドに一層の効果を発揮するだろう。地理に不案内な外国人にとって、地図でインターチェンジに近いことが一目で分かるのは大きい」とみている。
 観光客の流動性が高まり、広域観光の受け皿づくりが成否を左右する。飯豊町に加え、長井、南陽両市と白鷹町の4市町で滞在型観光を進める「やまがたアルカディア観光局」が4月に業務を始めた。観光協会の二瓶事務局長は「培った旅行商品のアイデアを広域で展開する時期を迎えた」と意気込む。


関連ページ: 山形 経済

2019年06月30日日曜日


先頭に戻る