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県外避難者の苦労や葛藤体験談を収録「災害の備えに生かして」

県外避難者と支援者の体験談をまとめた記録誌

 東日本大震災の復興を後押しする県サポートセンター支援事務所(仙台市青葉区)は、県外避難者と支援団体の体験談をまとめた記録誌を発行した。大規模地震が想定される地域の関係団体に配布し、教訓を生かしてもらう。

 タイトルは「ふるさとを離れるということ 広域避難者と支援者の葛藤と苦悩」。B5判、114ページ。東京、京都、福岡、宮崎の4都府県に県内から避難した6人と、現地で避難者の支援に当たった3団体4人の経験談を集めた。
 県外避難者の声は聞き取りの形で紹介。急に慣れない土地で暮らすことになって苦労した経験や、震災から8年が過ぎて家族が避難先で職を得るなど、帰郷は難しいと感じ始めている実情などが吐露されている。
 県外避難者たちの間で、人間関係の悩みや集合住宅での騒音など、生活環境に関する相談が増えていることなどにも触れている。
 県によると、県外避難者数(6月11日時点)は26都道府県で計146人。ピーク時は全国に9000人以上いた避難者と支援員の体験を資料として残そうと、同事務所アドバイザーを務める東北学院大地域共生推進機構の本間照雄特任教授(社会学)が中心となり、約1年かけてまとめた。
 復興庁「心の復興」事業の一環で製作した。3月末に800部を作り、県内の自治体や支援団体、図書館などに配布したほか、内閣府が指定する「南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域」の139市町村にも送付した。
 本間氏は「県外避難者は遠慮して要望を言いださない人が多い。信頼関係を築き、サポートした支援員の活動を伝え、今後想定される大規模災害の備えに生かしてほしい」と話す。


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2019年07月01日月曜日


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