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<南東北 つながる未来>第1部・観光(3)ワイン、日本酒で誘客を

ワイン造りの説明を受ける「ワインツーリズムやまがた」の参加者=6月9日、山形県上山市のタケダワイナリー

<生産者と交流>
 山形県の上山、南陽両市に点在するワイナリーやブドウ畑を思い思いのプランで巡りながら、生産者との交流を楽しんだ。
 両市の官民による実行委員会が6月9日に開いた「ワインツーリズムやまがた」。2年目の今回は県内外から約430人が訪れた。
 隣接する両市はともにワイン産地でありながら、昨年まで情報発信や販路拡大に連携して取り組んだ経験はなかった。
 「近くて遠い関係」(観光関係者)に変化をもたらした一つの要因が、高速環状ネットワークの誕生だ。
 初めて参加したという山形県庄内町の会社員男性(45)は「庄内地方から置賜は今まで遠かった。高速道がつながり、催しがぐんと身近になった」と喜ぶ。
 ワインツーリズムの前日には、上山市の官民でつくる実行委が上山城周辺でワインの飲み比べイベント「やまがたワインバル」を開催。かみのやま温泉(上山市)や赤湯温泉(南陽市)への宿泊につなげ、波及効果の拡大を狙う。
 両市は2016年、国のワイン特区に相次いで認定され、ブドウ栽培やワイン醸造への新規参入を目指す動きが相次ぐ。現在、上山市に2社、南陽市に5社あるワイナリーは、今後5年でさらに増える見通しだ。
 南陽市に昨年移住し、今年秋のワイナリー開設を目指す岩谷澄人さん(54)はこれまで、滋賀県などで28年間ワイン醸造とブドウ栽培に携わってきた。
 「山形のワインは東日本トップ級の品質」と語る岩谷さん。「首都圏からの利便性が高まる中、温泉とどう組み合わせるかが誘客の鍵を握る」とみている。

<総合的にPR>
 酒蔵巡りと観光を組み合わせた酒蔵ツーリズムの確立を目指す動きも、県内で加速している。
 来年春、県産酒を中心に食や伝統工芸、文化、観光などの魅力を総合的にPRする初のフェアが山形市内で開かれる。
 県酒造組合の仲野益美会長(58)は「日本酒は地場産業をつなぐ接着剤の役割を担える。温泉への宿泊と高速道や鉄道のフル活用で、いかに回遊してもらうかが肝心だ」と強調する。
 フェアは、昨年5月に県内であった世界最大規模のワイン品評会「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)」のSAKE(日本酒)部門の成果を次に生かす目的がある。
 昨年のIWCでは、最優秀賞「トロフィー」は9ジャンル中6ジャンルを宮城、山形、福島3県の日本酒が占め、頂点の「チャンピオン」には福島県産酒が輝いた。品質の高さが国内外に認知された。仲野会長は「酒蔵ツーリズムはエリアを広く設定し、酒蔵の数もなるべく多い方が楽しい。フェアを重ねる中で、3県連携を進めたい」と語る。


関連ページ: 山形 経済

2019年07月01日月曜日


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