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45日ぶりカツオ水揚げ 主役登場も拭えぬ不安 気仙沼漁港

水揚げされたカツオを見定める仲買人ら=1日午前7時ごろ、気仙沼市魚市場

 生鮮カツオの水揚げ22年連続日本一を誇る気仙沼市の気仙沼漁港に1日、カツオが45日ぶりに水揚げされた。漁業関係者は今後の巻き返しを期待するが、漁師からは「三陸にカツオの姿がない」との声も上がる。水揚げ日本一に向け、不安がくすぶる。

 主力の一本釣り船が登場し、気仙沼市魚市場が沸いた。ご祝儀相場もあり、1キロ当たり高値で2000円、平均475円と例年よりも高額で取引された。
 水産物仲卸「フジミツ岩商」の岩渕光男社長(73)は「心配で毎日、眠れなかった。カツオは気仙沼の命。ここから回復してほしい」と願った。
 気仙沼市魚市場の昨年の水揚げ金額は約198億円で、生鮮カツオが約50億円。産業の7割が水産に依存すると言われる気仙沼の地域経済は、カツオの水揚げに大きく左右される。
 製氷会社「岡本製氷」の岡本貴之専務(37)は「カツオが揚がらず、今年の売り上げは例年の半分以下。運送業者も飲食店もみんな苦しんでいる」と明かす。
 地元が期待する一方、漁の見通しは明るくない。1日に8トンを水揚げした宮崎県日南市の「第15事代丸」(119トン)の酒井俊一漁労長(58)は「(三陸沖に)全然いない。異常だ」と言い切る。
 酒井漁労長によると、カツオの群れの中心は三重県から静岡県沖にとどまり、勝浦漁港(千葉県)などの水揚げが多い。事代丸は今回、悪天候で勝浦漁港を避け気仙沼漁港に水揚げした。「このまま北上しないかもしれない。こんな経験は初めてだ」と首をかしげる。
 14トンを水揚げした日南市の「第5清龍丸」(119トン)の浅野貴浩漁労長(57)も「今取れている場所は、例年は5月に漁をする場所。水温は上がっているが、北に来ない」と嘆く。
 群れが三陸沖まで北上しなければ、23年連続の水揚げ日本一に黄信号がともりかねない。気仙沼市の菅原茂市長は「カツオは気仙沼の主役。市民は日本一を期待している。水揚げが続いてほしい」と願った。


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2019年07月02日火曜日


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