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<ベガルタ>布陣変更でV字回復 7勝1分け9敗、暫定10位で折り返し 守備意識高め新戦力融合

6月30日の札幌戦で4連勝を飾り、抱き合って喜ぶシュミット(右から3人目)ら仙台の選手たち=ユアスタ仙台

 J1仙台はリーグ前半戦を7勝1分け9敗の勝ち点22の暫定10位で折り返した。一時は最下位に沈んだが、現在は4連勝中とV字回復。大胆な布陣変更と意識改革が功を奏した。前半戦を振り返り、立て直しの要因と収穫を探る。

 「一人一人が強い思いを持ってくれたおかげで、非常に引き締まったゲームができた」。前半戦最後の札幌戦の後、渡辺監督は選手たちの粘りをたたえた。言葉に信頼がにじんだ。
 開幕当初は苦難の連続だった。全体の3分の1に当たる10人が新加入。渡辺監督が2017年から採用する「3−4−3」の基本布陣による攻撃重視の戦術の浸透を急いだが、出だしでつまずいた。開幕戦で浦和に引き分けた後は泥沼の4連敗。開幕8戦で1勝1分け6敗と振るわなかった。
 後がなくなり、渡辺監督は第9節のG大阪戦から布陣を3年ぶりに「4−4−2」に戻した。選手の距離が縮まってパス回しにリズムが生まれ、9試合で16ゴールと得点力が向上。定位置を失っていた永戸が左サイドバックで躍動するなど、得意のサイド攻撃も厚みが増した。
 一方、守備は不安定さが残った。13試合を消化した時点で総失点23はリーグワースト2位タイ。第13節の清水戦では今季最多の4失点を喫し、最下位に転落した。選手たちは「全員が本当の危機感を持った」と口をそろえる。「戦う気持ちが欠けていた」と蜂須賀。見つめ直したのは球際の強さ。激しく相手に寄せ、シュートを簡単に打たせない原理原則に立ち返った。
 第14節の名古屋戦からは4連勝。この間、コンビを組むシマオマテと平岡の両センターバックが相手のエースをことごとく抑え、4試合で2失点と堅守を取り戻したのが大きかった。シマオマテは「同じ集中力を継続することが大事」と基本の重要性を強調する。
 新戦力も融合してきた。開幕直後は前線で孤立しがちだった長沢はチームトップタイの4得点、松下も組み立て役として存在感を発揮。右サイドハーフの主力をつかんだ道渕は「立ち位置を理解してボールを相手の間で受けられるようになり、FWとの連係も高まっている」と手応えを語る。
 課題は試合運び。守勢に回る時間は長く、ボールを握って崩すという理想型には遠い。第20節から出場可能となるFWジオゴアコスタの加入がどう化学反応を起こすか。守護神シュミットの海外挑戦に伴うGKの補強の成否も鍵を握る。
 「序盤の悔しさを絶対に忘れてはいけない」と渡辺監督。勢いを保ち、目標の5位以内を目指す勝負の後半戦に向かう。(斎藤雄一)


2019年07月02日火曜日


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