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<南東北 つながる未来>第1部・観光(4)湯巡り 温泉地スクラム

初の連携プランを打ち合わせする(右から)和田さん、北村さん、遠藤さん=6月12日、大崎市

<クーポン配布>
 「東北中央自動車道が環状線で(宮城、福島両県と)つながりました。3県で一緒にできることを考えました」
 大崎市の鳴子温泉で6月12日にあった宮城県内のホテル、旅館でつくる生活衛生同業組合青年部の通常総会。ゲストとして参加した、米沢市の小野川温泉で旅館を営む山形県青年部長の遠藤直人さん(43)が、宮城県青年部のメンバーに切り出した。
 会合で提案したのは、3県青年部加盟の宿泊施設が8〜11月、インターネットサイトを通じて予約した宿泊客を対象に、宿泊料金に応じた割引クーポン券を配るサービス。参加は任意だが、3県青年部が連携して何かに取り組むのは、これが初めてだ。
 東北中央道の南陽高畠−山形上山インターチェンジ(IC)間が4月に開通し、宮城、山形、福島3県の県庁所在地が環状に結ばれたことを機に、「首都圏などに向け、南東北3県が一体となって集客を図りたい」と遠藤さん。
 趣旨に賛同する宮城県青年部長の北村周平さん(41)=松島町=は「時間距離の短縮で3県の観光地は相互に移動しやすくなった。異なる個性を持つ隣県の観光資源もPRすれば相乗効果が期待できる」と語る。

<DC見据える>
 飯坂温泉(福島市)の旅館5代目で福島県青年部長の和田一成さん(44)は昨年度、遠藤さんらと共に、米沢、福島、相馬3市の宿泊施設の連携企画に関わった。隣県の施設に次回予約を申し込んだ宿泊客への割引サービスで、東北中央道福島大笹生(おおざそう)−米沢北IC間の開通1周年を記念した。
 米沢市では、小野川、白布、大平、新高湯、五色、姥湯、滑川、湯の沢の8温泉でつくる「温泉米沢八湯会」が2011年に発足し、スタンプラリーや駅弁「米沢八湯湯めぐり弁当」などの企画に取り組んできた。
 福島市でも、飯坂、土湯、高湯の各温泉の若手経営者らでつくる「ふくしま若旦那プロジェクト実行委員会」が14年にスタート。フリーマガジンの発行や若手農家との連携に力を注ぐ。
 和田さんは「地元に根差した活動を大事にしながら、連携の規模を広げることで、高速道などの目的地として選ばれる魅力を高めていく」と力を込める。
 21年4〜9月には、東北6県を対象にした大型観光宣伝「東北デスティネーションキャンペーン」が控える。チャレンジの積み重ねを、広域観光連携の推進力にしたい考えだ。
 「高速道と一般道をうまく組み合わせ、多様な温泉文化を味わってほしい」。次代を担う3人は口をそろえる。


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2019年07月02日火曜日


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