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紙芝居で被災体験次世代に 宮城・七ヶ浜の高校生制作、上演

児童の前で高校生が手作りの紙芝居を上演した

 東日本大震災の津波被災の体験を次世代に伝えようと、宮城県七ケ浜町の高校生が紙芝居を作り、町内の松ケ浜小で2日、初めて上演した。自分たちが被災した時と同じ年頃で震災直後に生まれた2年児童35人に、震災の悲劇と教訓を訴えた。
 上演したのは、同町の向洋中を卒業した高校1、2年15人でつくる地域活動団体「きずなFプロジェクト」。昨年春に発足し、話し合いを重ねるなど紙芝居作りに取り組んできた。
 ストーリーは、メンバーで双子の小野寺美羽(みう)さん、優羽(ゆう)さん=ともに(16)=の体験を基にした。2人は陸前高田市で被災して家族を亡くし、町内の里親の元で暮らしている。
 主人公は震災で母と祖母を失い、その死を理解できなかった姉妹。中学生になって体育祭で親を捜す生徒を見てつらく感じ、震災学習を通じて語り部活動を始める−という内容だ。
 この日の上演にはメンバー8人が参加した。計10枚の紙芝居をめくり、突然の地震と津波、思いがけない別れの場面などを心を込めて演じた。
 終盤では美羽さんが語り部活動をする姉妹を1人で演じ、「誰かを失った時、後悔しても遅い。自分の家族は一つしかありません」「伝えたいことがあれば、その時に伝えて。1分1秒を大切にしてください」と呼び掛けた。
 真剣な表情で見入っていた児童は「家族を大切にしたい」「震災のことを知りたかったので良かった」などと感想を語った。
 紙芝居活動のリーダー山本萌乃(もえの)さん(17)は「伝わってうれしい。私たちが震災を忘れないのはもちろんだが、下の代が知ってくれることが風化防止につながる」、美羽さんは「震災を知らない世代に少しでも多く伝えたい」と話した。
 17日も同町の汐見小で上演する。メンバーは幼稚園などでの上演も目指している。


2019年07月03日水曜日


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