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<新潟・山形地震>被災空き家倒壊に不安の声 鶴岡市内に40戸、修繕進むか不透明

倒壊などに備え、囲いやチェーンによる応急措置が取られた空き家(右)=鶴岡市小岩川集落

 新潟・山形地震で震度6弱を観測した鶴岡市で、被災した空き家に対する不安の声が出ている。屋根瓦の落下やブロック塀の倒壊に加え、住宅密集地にある廃屋の一部が崩れたケースもある。市は所有者に連絡を取り始めたものの、空き家は修復補助の対象外。修繕などの対策が施されるかどうかは不透明だ。
 市によると、地震で家屋や塀に被害があった空き家は約40戸。市全体の住宅被害は700戸程度とみられている。
 屋根瓦の落下など住宅被害が集中した同市温海地区の小岩川集落では、20年間ほど放置されているという空き家や小屋が隣家に傾きかけている。地元自治会がチェーンを掛けたり、足場で囲いを作ったりして倒壊などに備える措置を取ったが、解体の見通しは立っていない。
 隣家の70代女性によると、地震の数日後にひさしが大きな音を立てて崩れたという。
 地震前にも屋根瓦が落下し、女性方の窓ガラスを突き破って飛び込んできたことがあった。女性は「いつ倒れてくるかと心配でならない。所有者も行政も何もしてくれない」と訴える。
 集落内では、庭に鳥居やほこらがある大きめの空き家でも屋根瓦がほぼ全て落下した。近所の80代男性は「元住人の親戚が近くに住んでいるが、手入れする余裕はないようだ。立派な家だったが、今後はどんどん劣化するだろう」と語る。
 市によると2018年3月時点で市内の空き家は3402戸あり、うち温海地区が441戸を占めた。小岩川集落だけでも25戸程度あるという。
 市は地震後、被災空き家の所有者に連絡を取っており、数人が対応する意向を示しているとされる。ただ、空き家は市が新たに始めた住宅修復補助制度の対象外となっていることもあり、全てで安全対策が進む保証はない。
 以前から空き家解体補助制度はあるものの、予算は年4戸分。家屋以外の蔵や倉庫に適用することもできない。市の担当者は「人が住んでいる家の修繕が最優先だが、危険が切迫した空き家があれば市も応急措置はできる。所有者に働き掛けを強めたり、解体制度の在り方を検討したりしたい」と話している。


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2019年07月04日木曜日


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