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<せんだい進行形>大手・有力メーカーの「プライベートショー」が増加 取引先拠点集積が魅力

東北で人気が高い空気式の「エアーピストン充填機」の新商品をPRするナオミの駒井社長(右から2人目)

 全国の大手・有力メーカーの間で、自社の最新製品などをPRする「プライベートショー」を仙台市で開催するケースが増えている。人手不足、人口減少といった社会的課題を受け、各社はPR手法や事業モデルの転換を進める。地方での売り込み強化に向けて、取引先の営業拠点が集積する仙台がアピールの舞台になっている。(報道部・高橋公彦)

◎地方開催に転換

 小型充填(じゅうてん)機で国内トップシェアのナオミ(大阪府)は6月20日、泉区の仙台営業所で東北では初のプライベートショーを開催。宮城、岩手両県に拠点を持つ商社など14社計約30人が来場した。
 一方で、例年出展してきたアジア最大級の展示会「国際食品工業展」(東京)を今年は見送った。仙台を皮切りに、地方開催の方針に転換するという。
 同社の顧客の4割は、人手不足や従業員の高齢化に悩む水産関連業者。駒井亨衣(ゆきえ)社長は「顧客の近くで開催することで関係を深められ、商品を詳しく説明できる。地方に寄り添いながら、省力化や自動化を後押ししていく」と話す。

◎人手不足に商機

 「夢メッセみやぎ」(宮城野区)は東北・北海道で最大の屋内展示スペースを持つ。運営するみやぎ産業交流センター(同)によると、2018年度に開かれた展示・即売会は計89件。17年度から12件増えた。
 フォークリフト業界で世界3位の三菱ロジスネクスト(京都府)は2月、夢メッセで東北初のプライベートショーを実施。特殊搬送車両など約30台を展示した。
 目玉は工場や倉庫の無人化、省人化につながる機器。最新のレーザー誘導方式無人フォークリフトも披露された。人手不足に悩む東北の業者の関心は高く、2日間の来場者は700人を超え、同社の展示会で過去最高となった。
 渡辺博一常務執行役員国内営業本部長は「人手不足は人口減の進む地方では、より大きな問題だ。東北6県をカバーする仙台で、地域の顧客の声が聞きたいと考えた」と説明する。

◎リノベにシフト

 今月2日、建材大手のYKKAP(東京)が、住宅の断熱や耐震性能を高めるリノベーションの普及に向けたフォーラムを夢メッセで開いた。昨年に続く仙台開催だ。
 フォーラムは15年に東京と大阪で始め、今では6都市に拡大。秋田、郡山両市など全国35カ所で小規模セミナーも開く。人口減少で新築住宅の需要は縮小が避けられない。地方の工務店などにリノベーション関連商材を新たな事業の柱として認知してもらうことを狙う。
 海老原功一執行役員リノベーション本部長は「工務店との接点拡大を重視し、1県1会場を目安に開催を増やしている。リノベーションへの理解を深め、商材の活用につなげたい」と仙台など地方で発信する意義を強調する。

[プライベートショー]企業が単独で開く展示会で、自社やグループ各社の商品、技術などのPRを目的とする。企業間取引BtoB(ビジネス・ツー・ビジネス)が中心で、既存の取引先や業界関係者が主なターゲット。一般的な展示会とは違い、他社のブースと比較されることなく商品やサービスを提案できる。


2019年07月05日金曜日


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