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<参院選>東北の有権者、年金問題消えぬ不安 遠い復興支援「議論を」望む声切実

 令和最初の大型国政選挙で語られるべき政策課題は何か。少子高齢化が進む東北の有権者からは、身近なテーマである年金問題への不安の声と注文が相次いだ。東日本大震災、東京電力福島第1原発事故の被災地では生活再建の後押しを願う切実な声が聞かれた。
 秋田市の看護師吉川聖美(さとみ)さん(47)は年金問題が喫緊の課題と考える。「定年を迎えたとき、生活できるだけの年金がもらえるのかどうかを考えるだけで不安」と率直に話す。
 青森市の自営業渡辺茂義さん(66)は「国民年金は個人負担が大きいにもかかわらず、支給額が少ないと感じる。若い人たちは将来、確実にもらえる保証がない」と指摘する。
 若い世代も年金問題に注目する。山形市の山形大3年加相嵩人さん(21)は「今の高齢者で老後資金が足りないなら、自分のような世代は一体どうなるのか」と問い掛ける。
 仙台市青葉区の大学院生工藤璃那さん(22)は「老後資産のニュースで現実を突き付けられた。自分でも貯蓄しなければならないが、政府も打開策を出してほしい」。
 被災地では人口減少が深刻だ。原発事故で福島県楢葉町からいわき市に避難する生花店経営早川シンさん(73)は「古里に戻っても子どもと世帯が分かれ、近所に友だちも少なくなって不安を抱える高齢者は多い。心の復興はまだ遠い」と訴える。
 陸前高田市でお茶販売店を営む小谷隆一さん(70)は、かさ上げした中心市街地に店舗を再建し今月下旬に営業を始める。市内の人口は震災前から2割以上減っており「消費人口が増えないと立ち行かない。若者が古里に戻ってこられるよう産業振興を図ってほしい」と話す。
 宮城県山元町で被災し、隣町の亘理町で自力再建した主婦菅野寛美さん(74)は「人口減少と高齢化が進む被災地の復興にどう取り組むのか、各党の公約や実行力を見極めたい。選挙に行かずに嘆くだけでは駄目だ」と語る。
 東松島市の石田みや子さん(75)は被災自宅を約500万円かけて修繕したが、公共施設は全て高台に移った。「在宅被災者は置き去りにされた気がする。被災者が個別に抱える事情をきちんと反映した支援制度の在り方を議論してほしい」と求めた。


2019年07月05日金曜日


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