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<人駅一会>(5)石巻/踊る主人公 時刻み街守る

オルゴールの音色に誘われて登場した石ノ森漫画の人気キャラクター。震災前から、メリーゴーラウンドのように回って時刻を告げている
石川光晴さん

 東日本大震災で分断された交通網が、長い一本の線につながろうとしている。傷跡を癒やしながら、少しずつ復興に向かう被災地の数々。点々と海沿いに続く駅を起点に訪ね歩いた。

◎石川光晴さん(64)コーヒー店経営 石巻市北村

 地元の人たちもあまり知らないかもしれませんが、石巻の駅前に「からくり時計」があります。ステンレス製のカバーが自動で下がると、石ノ森章太郎さんが生み出したゴレンジャーやロボコンなどのキャラクターが現れ、踊り回ります。
 ただ、仕掛けが楽しめるのは、1時間のうちにわずか1分だけ。そのせいで認知度が上がらないのかもしれません。
 経営する喫茶店「マンガッタン・カフェ えき」は駅舎の隣。ここで商売していると、いろんな人と出会います。ことしの3月、一人で涙ぐんでいた70代くらいの男性がいました。
 話を聞いたら、数十年ぶりに石巻に帰省したらしい。「被災した街や親戚のことを考えると、胸がいっぱいになって」と話していました。
 東日本大震災で駅前もずいぶん様変わりしました。昔からの店が少なくなり、人出も減った気がします。石巻ゆかりのヒーローとヒロインに、もうひと踏ん張りしてほしいですね。

◎石巻(JR石巻線)

 漫画を生かした街づくりに石巻市が乗り出したのは1995年。石ノ森章太郎さんが同市中瀬をニューヨークのマンハッタン島に見立てて「マンガッタン」と命名。2001年に「石ノ森萬画館」が完成した。萬画館は東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた。石巻駅周辺にも津波は押し寄せたが、駅舎や線路に大きな被害はなかった。

 文・写真 高橋 諒 


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2019年07月07日日曜日


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