山形のニュース

<参院選山形>故岸氏の「後継者」に恩返し? 吉村知事の大沼氏激励波紋

自民党山形県連大会で、大沼氏(左)と握手を交わす吉村知事

 6月の自民党山形県連大会で、吉村美栄子知事が参院選(21日投開票)の山形選挙区(改選数1)で再選を目指す大沼瑞穂氏(40)を激励したことが波紋を広げている。吉村知事は2009年、旧民主党などの非自民勢力に加え、元自民党参院議員の故岸宏一氏の支援を受けて初当選。岸氏が後継者として意識していた大沼氏にエールを送ることで、岸氏への義理を果たそうとしたとの見方が一般的だ。果たして今回、「吉村票」は動くのか。
 山形市で6月23日に開かれた自民党県連大会。吉村知事は来賓あいさつで「大沼先生のご健闘を心から期待申し上げます」と述べ、退席する際には大沼氏と笑顔で握手を交わした。
 吉村知事は「選挙の恩は選挙で返す」を基本姿勢としてきたが、過去2回の知事選で無投票当選を重ねるうちに、国政選挙や県議選などで非自民、自民それぞれに義理のある候補への応援はほぼ一巡。近年は大型選挙で態度を鮮明にすることはなくなっていただけに、県連大会での言動が臆測を呼んだ。
 野党統一候補の無所属新人芳賀道也氏(61)を支持する立憲民主党県連の幹部は「選挙前の注目される時期にあんな発言は心外だ。気持ちとしては、こちらの野党統一候補を応援してほしいくらい。せめて中立であってほしい」とこぼす。
 一方、自民党県連は応援されたはずなのに、反応は微妙だ。県連幹部は「社交辞令に過ぎない」「握手は(大沼氏が)求めたから応じただけ」と何も期待していないような口ぶりだ。
 県連は17年の前回知事選で対立候補を擁立できずに不戦敗。吉村知事を支援していた所属県議3人を会派から離脱させるなど、3期目の知事と対決色を強めていることが背景にある。
 吉村知事後援会や自民県連の幹部はともに「岸氏との関係から出た社交辞令」と受け止める。
 岸氏は09年知事選で、現職支持の党の意向に反して吉村氏を応援した。岸氏の後援会役員を長年務めた最上地方の町議は「岸氏は吉村知事の生みの親と言っていい」と強調。「岸氏は『後継者は大沼さんみたいな人がいい』とまで口にしていたから、岸氏への思いが大沼氏支援の発言になったのだろう」とみている。
 公示前日の3日、吉村知事は定例記者会見で参院選への対応を問われ、「(大沼、芳賀)両氏の健闘を期待申し上げる」と述べた。自民党県連大会での発言の真意については「あれ以上でも、あれ以下でもない」と話した。
 山形選挙区にはほかに、NHKから国民を守る党員の小野沢健至氏(49)も立候補している。


2019年07月07日日曜日


先頭に戻る