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<森林譲与税>交付額、大都市が多く 栗原市など異議「人口割合大き過ぎる」

栗原市一迫の私有林人工林。9月にも自治体への税交付が始まる

 自治体の森林保全などを目的に総務省が9月にも交付する「森林環境譲与税」の配分額を巡り、栗原市など森林面積が広い地域を抱える自治体から疑問の声が上がっている。交付額を比較すると大都市の方が多いからだ。宮城県の自治体からは「森林環境譲与税の趣旨に反する」との声も上がっている。
 宮城県の各市が試算した配分額は表の通り。栗原市は譲与税の積算基準となる私有林人工林面積が約1万100ヘクタールで、試算額が2100万円だった。
 一方、横浜市の面積は栗原市の20分の1の約500ヘクタールながら、交付額は約7倍の1億4300万円を見込む。全国トップの金額で、同市では市立小中学校校舎を建て替える時の木材購入の財源に充てる。
 仙台市も面積は約5400ヘクタールながら、交付額を約5600万円と見積もる。
 大都市の配分額が多くなるのは、総務省が定めた市区町村への振り分け基準のため。私有林人工林面積が5割、人口が3割、林業就業者数が2割としたため、人口の多い横浜市のような大都市の配分額が多くなった。
 この問題は、栗原市議会6月定例会でも取り上げられた。佐藤範男議員は一般質問で「納税者は(譲与税が)森林整備に使われるとの認識のはずだ。ばかげた配分になっている」と指摘。千葉健司市長は「制度の矛盾を調査して県市長会に提起したい」と答弁した。
 広大な森林を持つ他市からも、「人口の割合が大き過ぎるのではないか」(大崎市)、「与えられた金額でやりくりするしかないが、足りないというのが実情」(石巻市)との声が漏れる。
 総務省は9月にも各自治体への配分額を決定し、交付を始める。譲与税の振り分け基準を見直すかどうかの検討は「各自治体の使用実績を分析してから」(市町村税課)としており、早くとも来年夏以降になるという。

[森林環境譲与税]森林の整備・保全を目的に導入する新税。使途は市区町村の間伐、担い手育成、木材利用促進など。本年度の市区町村分の交付額は160億円。5年間は国の借金で財源を確保し、2024年度からは個人住民税に1人年1000円を上乗せする森林環境税が財源となる。


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2019年07月07日日曜日


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