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<まちかどエッセー・中村匠子>畑づくりは子育て?

[なかむら・しょうこさん]1957年、岩手県住田町生まれ。国立仙台病院(現仙台医療センター)付属看護助産学校を卒業。病院勤務後に子育てのため退職し、塩釜子ども劇場と出合う。2004年、NPO法人みやぎ県子ども・おやこ劇場設立時に専務理事となり、16年から代表理事。

 わが家の庭にある畳2枚ほどの広さの畑とプランターは今、緑がいっぱい。ジャガイモ、トマト、キュウリ、サツマイモなど数本ずつだが8種類の野菜が元気に育っている。手入れ担当は単身赴任の夫、私は日々の見守り(害虫との闘い)と収穫担当だ。毎年、土を耕し肥料を入れるが、同じようには収穫できない。
 夫は家庭菜園を扱ったテレビ番組を見たり、スマホで検索したりと試行錯誤中だが、うまく育ったと思っても台風や暑さで駄目になることもしばしばだ。育てることは何事も難しい。子育てと同じだなあと、つくづく思う。
 野菜づくりは土が大事だが、子どもが育つ「土」は何だろう? それは家庭や地域、社会環境だと思うが、私たち大人はその環境をちゃんとつくることができているだろうか。最近、親の子どもへの虐待や育児放棄、理不尽な犯罪による子どもの死などのニュースが多く、心が痛い。
 虐待する親を育てたのは、私たちの世代だ。どうして? 何が違ったの? と自問自答しても答えは出てこない。子どもの悲劇を繰り返さないために、私たちが今できることは何かを考え続けていかなければならない。
 私は子どもたちの健やかな成長を願い、未来をたくましく生き抜く力を持ってほしい、そのためには文化芸術が大事な要因の一つだと、活動を続けている。生の舞台鑑賞をしたからといって今の状況がすぐに変わるわけではないが、その小さな積み重ねが大事だと思う。
 子ども時代を豊かに過ごすことができれば、大人になって困難なことがあっても、乗り越える創造力が生まれるだろう。文化芸術を含めた社会環境という「土」を、みんなでつくっていきたい。
 わが家の畑は、そろそろジャガイモの収穫時期を迎える。今年の土はどうかな? まずは、今年の「子育て」の出来を味わおう。


2019年07月08日月曜日


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