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<とうほくドローンeye>おくのほそ道編(3)郡山/日は山の端に

安積山公園の近くで薄紫の花を咲かせたヒメシャガ

 まだ見ぬ花を求めて歩くうち、日は遠い西の山々に隠れようとしていた。芭蕉が探したのは、浅香山の辺りにある「花がつみ」。郡山市にある安積山公園が、かつての浅香山だとされている。
 「かつみ、かつみ」と口にしながら人々に尋ね回った。古今集詠み人知らずの一首が芭蕉の心を駆り立てた。
 <みちのくのあさかの沼の花かつみかつ見る人に恋ひやわたらん>。だが何の花なのか、この旅の頃には分からなくなっていたという。
 どうやらアヤメ科のヒメシャガらしい。郡山市日和田公民館の井上まゆみ館長(72)に思い出がある。「学生の時、奥ゆかしい花を校庭で見つけて、しおりにしました。後でそれが、芭蕉が探した花がつみと知って驚いたことがあります」。5月の半ば、安積山公園の入り口に今もヒメシャガが咲き始める。
 芭蕉は探し当てたものかどうか。歩き疲れてぼんやり、夕暮れの空に目を向けていたかもしれない。
(写真部・庄子徳通、小林一成)

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https://www.kahoku.co.jp/movie/


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2019年07月08日月曜日


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