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ALS患者の運動神経細胞異常 東北大チームが原因遺伝子をiPSで特定 治療法確立に道

 東北大大学院医学系研究科の青木正志教授(神経内科)らの研究チームが、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を用いて「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」患者の運動神経細胞に異常を引き起こす因子となる遺伝子を新たに特定したと発表した。ALSの進行を抑えられる可能性があり、数年以内の臨床試験を目指す。
 グループは、ALS患者2人と健常者1人の皮膚から採取した組織によるiPS細胞で、運動に関わる神経細胞「運動ニューロン」を作製し、形態などを比較した。
 患者の運動ニューロンでは、軸索と呼ばれる突起部分が枝分かれする異常が生じていた。因子を解析した結果、「Fos−B」と呼ばれる遺伝子の増加が関連していることを確認した。
 ALSは脳や脊髄の神経細胞の障害により、全身の筋力が低下する難病。患者は国内で約1万人に上る。患者本人の病変した組織の検体を採ることは難しく、原因の解明や根本的な治療法の確立が困難だった。さまざまな細胞に分化するiPS細胞を活用することで病態の一端が解明できた。
 特定の遺伝子の発現を抑える薬の開発は既に進んでいる。青木教授は「今後、確認された遺伝子の抑制による治療効果や安全性の研究を重ねたい。ALS患者に共通する病態である可能性が高く、早期の治療につなげたい」と話す。


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2019年07月09日火曜日


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