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<リボーンアート・フェス>被災地に彩り創造 8月3日・石巻で開幕

桃浦では、豚を放し飼いにするパルコキノシタさんの作品制作が進む
前回2017年のリボーンアート・フェスティバル以降、石巻市荻浜に常設された白い鹿の像。中央奥の建物はリボーンアート・ダイニング

 アートと食、音楽の総合祭「リボーンアート・フェスティバル(RAF)2019」が8月3日、石巻市で開幕する。舞台となるのは牡鹿半島を中心とする七つのエリア。9月29日までの58日間、現代アート作品の展示や音楽ライブ、地元食材を生かした食の提供が繰り広げられる。
 各エリアでは、展示内容を企画する7組のキュレーターが全体テーマ「いのちのてざわり」に思いをはせながら空間演出を手掛ける。東日本大震災の被災地再生を託したアーティストそれぞれの思いが、各地区に彩りを生む。
 実行委と一般社団法人APバンク(東京)が主催し、宮城県や石巻市、河北新報社などが共催する。

■桃浦エリア/「命の循環」思い空間表現

 キュレーションはRAF実行委員長の小林武史さん(新庄市出身)が担当する。テーマは「リビングスペース」。津波による被災で変貌を遂げながらも、過去の記憶を残す牡鹿半島で「生きる場所」とは何かを探る。
 現代芸術家パルコキノシタさんがアートと食の融合を目指し、豚の放牧場と入り口に鎮座する豚の木製オブジェづくりを進める。豚は期間中に食材として利用される予定。パルコさんは「命の循環を感じてもらいたい」と語る。
 前衛芸術家草間弥生さん、アートディレクター増田セバスチャンさんらも作品を出展する。

■荻浜エリア/原始的エネルギー満ちる

 RAFを象徴する白い鹿のオブジェ「WhiteDeer(Oshika)」がそびえ立つ荻浜エリア。作品を手掛けた現代彫刻家名和晃平さんがキュレーションを担当する。
 テーマは「プライマルエナジー−原始の力」。荒涼とした風景に作品が溶け込み、一帯は原始的なエネルギーに満ちた場所に生まれ変わる。現代美術作家今村源さん、画家村瀬恭子さんらが作品を手掛ける。
 近くに「リボーンアート・ダイニング」を併設。第一線で活躍する料理人らが地元石巻の食材を生かした料理を提供する。

■網地島エリア/震災乗り越えた離島舞台

 牡鹿半島南西に位置する離島、網地島は、今回初めてエリアに加わった。手付かずの自然が残る周囲約20キロの小さな島では「ネクスト・ユートピア」をテーマに作品が展示され、8月20日に開幕する。震災の惨事を乗り越えた島でしか表現できない「地上と天空のはざま」を表現していく。
 キュレーションは前回2017年にアート部門を監修した和多利恵津子さん(ワタリウム美術館館長)、浩一さん(同美術館CEO)のきょうだいが担当する。俳優浅野忠信さんが手掛けた絵画の個展も予定する。

■市街地 地元芸術家らの作品並ぶ/小積 鹿が案内役、異質な世界へ

 石巻市中心部は、JR石巻駅前と市街地の二つのエリアで来場者を出迎える。
 駅前エリアは、人類学者中沢新一さんがシンガポール出身の前衛芸術家ザイ・クーニンさんとコンビを組む。「石巻をもう一度、海に開かれた世界にしたい」との思いを込める。
 市街地エリアは、アーティスト有馬かおるさんがキュレーターを務める。石巻駅から石ノ森萬画館をつなぐ中心商店街のマンガロードに、地元アーティストたちが多くの作品を添える。
 牡鹿半島の中央に位置する小積(こづみ)エリアのテーマは「鹿に導かれ、私たちを見るとき」。アーティスト豊嶋秀樹さんが、鹿を道先案内人にして来場者を異質な世界への旅にいざなう。
 半島先端の鮎川エリアは、前回も作品を出展した美術家島袋道浩さんが「目をこらす 耳をすます」をテーマに空間をつくり上げる。

◎石巻フードアドベンチャー 自然と食五感で味わう

 石巻フードアドベンチャーは「食が生まれるところ」をテーマに、牡鹿半島の自然と食材を探る参加型イベントとして実施する。
 半島で採取した植物で草木染をするワークショップや地元の猟師から生態系を学び一緒に鹿を料理するツアー、蛤浜(はまぐりはま)地区の漁師との漁体験を予定している。
 ツアーにはプロの料理人がフードディレクターとして同行。食材の入手から調理に至るまで地域の旬を堪能できる。料理は荻浜エリアにあるレストラン「リボーンアート・ダイニング」で提供される。
 フードディレクターの一人で、東京・神田でレストラン「the Blind Donkey」を営む原川慎一郎さんは「受け身のガイドツアーではなく、五感を使って自発的に参加、体験してもらえる内容を考えている。日々の生活と自然の関わりに思いをはせてほしい」と期待する。

◎リボーンアート・パスポート(作品鑑賞パスポート)

◆前売り券
・一 般     2,500円
・高/専/大学生 2,000円
◆当日券
・一 般     3,000円
・高/専/大学生 2,500円

 (注)リボーンアート・パスポートは全ての展示作品を会期中に鑑賞可能。(1作品/エリアにつき1回限り。別途チケットが必要なイベントもあるので公式サイトで要確認)。一度鑑賞した作品、エリアを再度鑑賞する場合は、各エリアごとに現地インフォメーションで使用済みパスポートの提示と500円の再観覧費用が必要。

◆購入方法
・公式サイト https://www.reborn-art-fes.jp 石巻市内、宮城・山形・岩手のTSUTAYA一部店舗。
・石巻市内のインフォメーション▽[市街地]JR石巻駅前(旧びゅうプラザ跡地)、旧観慶丸商店▽[桃浦]展示エリア入り口、旧荻浜小学校内▽[荻浜・小積浜]展示エリア入り口▽[鮎川]成源商店内▽[網地島]網地港、長渡港
 連絡先は運営事務局 info@reborn−art− fes.jp


関連ページ: 宮城 文化・暮らし

2019年07月10日水曜日


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