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<参院選福島>愛郷心訴え集票合戦 いわきが地元/自民現職森氏 会津若松地盤/無所属新人水野氏

(左)支持者に握手を求める森候補=5日、いわき市 (右)支持者に駆け寄る水野候補=4日、会津若松市

 21日投開票の参院選福島選挙区(改選数1)で、いわき、会津若松両市を巡る集票合戦が日増しに熱を帯びている。いわき市は自民党現職森雅子候補(54)の地元で、会津若松市は野党統一候補の無所属新人水野さち子候補(57)が県議時代に地盤とした。両候補とも愛郷心を訴えて足場を固めつつ、大票田の郡山市や福島市への浸透を図る。

 「子どもの頃、経済的に困難で学ぶ場がなかった時にいわきの皆さんに助けてもらった」
 4日、福島市で第一声を上げた森候補が当日最後の遊説先に選んだのはいわき市だった。選挙事務所前でマイクを握り、地元への謝意を示し支援を訴えた。
 同市は県内一の34万の人口を抱える。地元生まれの森候補は2007年と13年の過去2回、市内最多の票を獲得。13年の市内得票は63%に達し、再選の大きな要因となった。
 自身を含め6人が1議席を争った13年と異なり、今回は野党統一候補との事実上の一騎打ち。陣営の危機感は強く、公示前に地元であった総決起集会で党県連の太田光秋幹事長は「厳しい選挙を勝ち抜くため、古里いわきから風を起こして県内に発信してほしい」と声を張り上げた。
 党の地元組織も結束を固める。かつて4人いた地元国会議員は落選が続き、現在は森候補と吉野正芳前復興相(衆院福島5区)の2人だけ。盤石だった政権与党の威信に陰りが見え、陣営幹部は「吉野議員だけになったら復興はどうなるのか。負けられない戦いだ」と気を引き締める。
 対する水野候補は、地元の「会津」を前面に押し出す戦術を取る。
 「生まれは会津若松。だからこそ『ならぬことはならぬ』と訴える」。福島市での第一声で、水野候補は早速「決めぜりふ」を披露した。
 会津藩校日新館の「什(じゅう)の掟(おきて)」の一文だ。武士の心構えを持ち出して政権との対決姿勢を鮮明にすると、聴衆が一気に沸いた。
 その後、会津若松市での街頭演説では、会津が地盤の小熊慎司衆院議員(比例東北)が「会津魂で今の政治にノーを突きつけよう」と拳を突き上げた。
 人口12万の同市は会津地方最大の都市。旧民主党最高顧問だった渡部恒三元衆院副議長のお膝元で、一定の非自民票が見込める。自民関係者は「会津は一つにまとまる地域。浜通りの森候補は厳しい戦いになる」と打ち明ける。
 ただ、水野候補が戦った2回の県議選の得票は7000票程度。市内での知名度は決して高くないとの指摘もある。陣営幹部はいわき市での苦戦を織り込んだ上で「いわきの票差を会津でどれだけ埋められるかが鍵だ」と語る。


2019年07月11日木曜日


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