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<新潟・山形地震>一部損壊家屋にも支援を 従来制度見直しの機運高まる

 新潟・山形地震の住宅被害のほとんどが一部損壊だったことを受け、国や自治体で、全壊を前提とした従来の支援制度を見直そうという機運が高まっている。国などの支援制度の対象外とされた鶴岡市も要件緩和を要望していた。一部損壊などに独自の支援制度を用意している自治体もあり、見直しの必要性が広く認識されつつある。

 国の主な被災者支援制度は、住宅の応急修理や生活物資の現物支給を定める災害救助法、全壊などの住宅再建に現金支給する被災者生活再建支援法の二本柱。ともに都道府県が適用を判断する。
 今回の地震では鶴岡市の約760戸、新潟県村上市の約580戸などで住宅被害があった。ほぼ全てが一部損壊だった。救助法の適用基準の住家滅失数80〜100戸、支援法の住宅全壊10戸といった主な要件には該当しなかった。
 山形県は昨年8月の最上地方の大雨で救助法を適用したが、今回は基準に達しないなどとして両法の適用を見送る方針。鶴岡市は住宅再建補助費などとして財政調整基金約1億円を取り崩したほか、一時は既存の事業を停止して被災者支援に予算を振り分ける検討も迫られた。
 皆川治鶴岡市長は被災者対象の説明会などで、両法が適用されないことによる財源不足に繰り返し言及。「全壊戸数の要件だけで運用されて適切なのかという思いはある。国は制度の隙間の検討を深め、救済してほしい」と訴えてきた。
 被災者支援を巡っては、これまでも国などが被災者の実情を踏まえ、支援制度の拡充を繰り返してきた経緯がある=表(上)=。
 昨年11月には、全国知事会が支援法の対象を拡大させて半壊世帯に50万円程度支給するよう提言。国も6月末、制度の在り方を検討する実務者会議を設けた。
 現行の国の支援制度に該当しない半壊などの被害には、一部の道府県も独自に救済策を設ける=表(下)=。手厚い鳥取県は2016年の鳥取県中部地震で2市町以外で支援法が適用できず、全国で初めて一部損壊を含めた再建支援に5億円を投じた。
 室崎益輝兵庫県立大大学院減災復興政策研究科長は「積極的に修理を支援すれば無理な解体や建て直しを減らし、災害廃棄物の量や行政支出を圧縮できる。自治体も国の制度の隙間を埋めていく努力を忘れてはいけない」と話す。


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2019年07月11日木曜日


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