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<平成と東北企業>(下)産業構造/医療業拡大 縮む卸売業

 平成が幕を閉じて2カ月が過ぎた。「失われた」とも形容される経済情勢が長く続いた中、東北の企業経済はどう動いたのか。東京商工リサーチ東北支社、帝国データバンク仙台支店がまとめた平成期(1989年1月〜2019年4月)の企業倒産、新設法人、産業構造の推移から探る。

 帝国データバンク仙台支店の調査によると、東北の平成期(1989年1月〜2019年4月)の産業構造は、卸売業が縮小する一方、少子高齢化に伴って老人福祉サービスなどの医療業が最も割合を伸ばした。建設業は東日本大震災以降、復興需要を追い風に拡大した。
 企業の売上高を産業・業種別にまとめ、全体に占める割合を比較した。1989年から10年ごとの東北の産業構造はグラフの通り。卸売業は29.1%から年々減少し、2018年で19.6%まで低下。一方で医療業などサービス業は13.4%から22.3%に上昇した。
 建設業は1998年に16.4%に上がった後、2008年には13.3%に下がったが、震災後の復興需要を受けて16.0%に再び上昇した。製造業は08年の23.5%をピークに減少を続けている。
 詳細な業種別に平成期の増減率を比較すると、医療業の2.6ポイント増が最も大きく、輸送用機械器具製造業、職別工事業の各2.1ポイント増が続く。マイナス幅が大きいのは飲食料品卸売業の4.2ポイント減で、その他卸売業の2.9ポイント減、電気機械器具製造業の2.3ポイント減が続いた。
 県別では岩手、秋田、福島で医療業の伸び率が最大となった。青森は鉄鋼・非鉄金属・金属製品製造業、宮城は輸送用機械器具製造業、山形は専門サービス業が最も伸びた。減少幅では宮城、秋田、福島で飲食料品卸売業、青森と岩手でその他卸売業がそれぞれ最も落ち込んだ。
 仙台支店は「医療業の拡大は、平成の東北で少子高齢化が深刻化していることを裏付ける。令和の時代は、全ての分野でデジタル技術の応用が進み、さらに産業構造の変化が起こるだろう」と指摘した。


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2019年07月11日木曜日


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