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<昇任試験問題集執筆>法令順守の認識欠如 身内からも批判「処分当然」

 警察官による昇任試験問題集の執筆料問題では、調査対象が17道府県の約450人に及び、執筆の継続性、定期性などを問題視された12道府県の21人が懲戒処分や訓戒、注意となった。報告義務を怠り2千万円を受け取っていた警視正もおり、法令順守に対する認識の欠如が、法執行機関としての警察の信用を大きく傷つけた。

<手続き怠る>
 「届け出さえしておけば…」。調査対象の大半は問題なしとされただけに、警察庁の幹部は処分を受けた警察官らが法令上の手続きを怠った点を悔やむ。
 今回問題となったのは、5千円を超える執筆料の報告を怠った国家公務員倫理法違反、兼業の許可を受けずに報酬を得て執筆をした国家・地方公務員法違反などだ。
 警視4人を注意とした兵庫県警の幹部は「許可を取っていれば問題はなかったと思う。手続きに不手際があった」と説明。東北管区警察局の幹部も懲戒処分となった宮城県警の斉木弘悦警視正(56)について「知人から頼まれ、安易に引き受けてしまった」と語った。
 背景の一つは法執行機関として、警察官一人一人にあるべき法令順守に対する認識の欠如だ。
 注意となった福岡県警の警視正は「報告義務の制度を誤認していた」、兵庫県警の警視4人は「許可を取る必要性の認識がなかった」、同じく注意の京都府警の警視ら2人は「兼業の認識がなかった」などと釈明した。

<口裏合わせ>
 しかし、21人の処分対象となった執筆料は明らかになったものだけで約40万〜約880万円。処分対象以外を含めると総額はさらに膨らみ、社会常識からも批判は免れない。総額750万円を受け取っていた斉木氏は「罪悪感が薄れ、ずるずると続けてしまった」と謝罪したという。
 8年間で2千万円を受領した大阪府警の野田哲治警視正(58)は、追及を逃れるため、出版企業と口裏合わせをしていたという。本部総務部門の幹部や曽根崎、羽曳野両署長などを歴任、警部補時代には警察庁への出向経験も。出世頭の一人とされ、2018年3月から刑事部ナンバー2の参事官を務めていた。
 「慎重で頭の回転が速いタイプ」(府警幹部)だが、部下に厳しい一面もあったという。府警によると、出版社の関係者とは20年以上前からの知り合いで、執筆を依頼され「後輩に役立てば、と断り切れずにやり始めた」と話しているという。
 別の府警幹部は「大幹部があんなことをしていては、下に示しがつかない。厳しい処分は当然だ」と突き放した。


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2019年07月13日土曜日


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