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<陸前高田市>「ふるさと納電」で被災地と支援する人々つなぐ 収益は寄付や創生事業に

 東日本大震災で被災した陸前高田市が、ふるさと納税ならぬ「ふるさと納電」の導入を目指している。市などの出資で6月に設立した地域電力会社「陸前高田しみんエネルギー」が市外にも売電し、収益を地域の事業に役立てる計画だ。身近な生活インフラを通じて被災地と支援する人々のつながりを維持する。

 市内の公共施設を皮切りに家庭や事業所に電力を供給する。来年4月には売電エリアを市外に拡大。収益の2割程度を市に寄付したり地域創生事業に充てたりする。
 市外の契約者は、地元出身者や過去にふるさと納税で寄付をした人、震災後に市内のNPO活動に参加してくれた人を想定する。今後、首都圏の約3万5000人に調査票を送付して需要を探り、料金プランや地域への還元策を練る。
 総務省の調査によると、陸前高田市への2017年度のふるさと納税額は4億3987万円で、岩手県内では北上市に次いで2位となった。納税件数は2万2999件で、岩手、宮城、福島3県の沿岸被災地で最多だった。
 震災発生から8年以上が経過し、戸羽太市長は「人によっては、これまでのつながりが途切れかけている」と指摘。「地域電力への切り替えを通じ、改めて陸前高田とのつながりを認識してもらう機会にしたい」と話す。

[陸前高田しみんエネルギー]資本金1000万円。陸前高田市が100万円、残りは電力小売事業を手掛ける外食チェーン大手「ワタミ」の子会社と地元建設会社が出資した。当面は電力市場から調達した電気を供給するが、将来的には太陽光発電など市内で生み出す再生可能エネルギーに順次切り替える方針。


2019年07月13日土曜日


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