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<参院選>手作り演台、スタッフが演説復唱 障害のある候補たち、創意工夫で懸命の訴え

スタッフに車いすを押してもらい、有権者と握手する候補

 障害のある候補たちが、ハンディをカバーする創意工夫で参院選(21日投開票)を戦っている。2020年にはパラリンピック東京大会が開催される日本。懸命の訴えが、障害のない候補を基準としてきた選挙の在り方に一石を投じている。
 盛岡市の雑踏。街頭演説を終えた選挙区候補の新人が、スタッフに車いすを押されて交差点を渡り、有権者に両手を差し出した。
 自分で車いすを動かしていたのでは、握手のタイミングが遅れてしまう。「みんなの力を借り、一人も取りこぼさず握手できている」と候補は語る。
 選挙カーでの遊説には、車いすを積み込んだ別の車両が随行する。助手席から外に出るのは一苦労。沿道に支持者を見つけても降りて駆け付けることは少なく、車中から手を振るだけにとどまる。
 選対幹部は「運動量は障害のない候補の半分ぐらい」と気が気でない。応援弁士が居並ぶ街頭演説で候補が埋没しないようにと用意した傾斜付き演台は、スタッフの手作りだ。
 比例代表候補の新人は、1歳で聴力を失い「筆談ホステス」として知られるようになった。東京都内で行った街頭演説では不明瞭ながらも自らマイクを握り、スタッフが復唱して政策を訴える。
 唇の動きで相手の言葉を読み取る能力を発揮し「有権者と一対一で丁寧に触れ合っている」と選対スタッフは強調する。
 諸派の政治団体は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の男性と重度脳性まひの女性を、比例代表で優先的に当選できる「特定枠」に擁立した。陣営は「候補本人が選挙運動を展開するのは難しいが、何としても障害のある当事者を国会に送りたい」と意気込む。
 早大マニフェスト研究所によると、個人演説会場にはバリアフリー対応が不十分な施設もあるという。中村健事務局長は「選挙も社会も、障害者の視点を欠いた仕組みは多い。当事者が活動することで改善点に気付くことが大切だ」と話した。


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2019年07月13日土曜日


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