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アユどこ行った 太公望やきもき 仙台・広瀬川

愛宕堰を遡上するアユ=13日
アユの遡上を困難にさせているとされる愛宕堰。左手に小さな魚道が整備されている=13日

 「広瀬川でアユが全然釣れない」。仙台市のアユ釣り愛好家から、ため息交じりの嘆き節が「読者とともに 特別報道室」に寄せられた。「まだ水温が低いせいだろう」「東日本大震災後の護岸工事などの影響で遡上(そじょう)するアユが減った」などとさまざまな原因がささやかれている。果たして、今年のアユの釣果は−。(報道部・鈴木悠太)

◎低い水温や護岸工事影響?

 「例年、解禁直後はそれなりに釣れるが、今年は全然だ。そもそもアユがいないんじゃないか」
 アユ釣り歴50年以上という情報提供者の60代男性が嘆く。今月1日のアユ釣り解禁以降に2日間、青葉区の霊屋橋付近の広瀬川でさおを振り、釣れたのは1匹だけ。ベテランの釣り仲間に聞いても、釣果は乏しいという。
 広瀬川では震災後、太白区越路の愛宕堰(ぜき)を上れずアユなどが大量に死滅する目撃情報があった。合流する名取川河口の護岸工事の影響で水の流れが変わり、川を遡上するアユが減っているとの指摘もある。
 広瀬川や名取川で例年、稚アユの放流を手掛ける広瀬名取川漁協(太白区)組合長の金子賢司さん(81)は「護岸工事による水質の悪化や魚が上りづらい堰の構造など、アユの遡上を妨げる要因は増えている」と指摘する。ただ、11日の調査で、多くのアユが確認されたという。
 「震災後の環境変化や稚アユの遡上調査は必要だが、もう少しすれば自然と釣れ始めるだろう」。サケの稚魚放流などに取り組む同漁協元理事の伊藤勝さん(66)が期待を込めて語る。
 伊藤さんによると、広瀬川中流の現在の水温は17〜18度で、アユが活発に動くとされる22〜24度を下回る。気象庁によると、仙台の日照時間は11日までの10日間で20.5時間で、平年の6割にとどまった。アユ釣り解禁日前後に曇りや雨の多い天候が川の水温を低くしている一因とみられる。
 縄張りを泳ぐアユの姿も既に確認できたという。伊藤さんは「桜の開花と同じで、生き物も人間のカレンダー通りには動かない。アユの生態に思いをはせ、動きだすのを焦らずに待ってほしい」と呼び掛ける。


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2019年07月14日日曜日


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