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<人駅一会>(6)陸前戸倉/店舗を再建 戻った笑い声

辺りに人家がない戸倉地区に看板を掲げる「西城魚店」。かつての住宅街には雑草が茂り 寂しくなったが、店先には客の笑い声が響く。向こうを走っている赤色のバスがBRT
西城 寛さん

 東日本大震災で分断された交通網が、長い一本の線につながろうとしている。傷跡を癒やしながら、少しずつ復興に向かう被災地の数々。点々と海沿いに続く駅を起点に訪ね歩いた。

◎宮城県南三陸町志津川 鮮魚店経営 西城 寛さん(70)

 陸前戸倉駅の近くで「西城魚店」を営んできました。うちの魚屋が国道沿いにポツンと1軒になりましたが、以前は辺りに何軒も家がありました。
 周りの家は東日本大震災の津波に流され、高台に移転しました。うちも流されましたが、震災の次の年の11月、同じ所にまた店を建てました。なじみのお客さんに分かりやすいようにと。夫婦で40年以上もこの場所で営んできた店ですから。
 後ろの山沿いの道路は気仙沼線の線路でした。震災まで列車が走っていましたが、今は赤いバス。もともと駅から歩いて数分なので、列車で魚を買いに来るおばあちゃんもいました。
 バスになって乗り降りする人はめっきり少なくなりました。昔のにぎわいはありませんが、ここでずっと商売を続けて良かったと思っています。
 遠くから車で買いに来てくれる人もいる。お客さんと話すとこっちも元気になって、明日もまた頑張れると思えます。今の時季のお薦めはアナゴと毛ガニ。もちろんここの海の幸です。

◎陸前戸倉駅(気仙沼線BRT)

 宮城県の美里町と気仙沼市を結ぶJR気仙沼線は東日本大震災の津波で大きな被害を受け、前谷地(石巻市)−気仙沼は「バス高速輸送システム(BRT)」が運行されている。ルートはおおむね気仙沼線と重なる。南三陸町にはBRTによって二つの駅が新たに誕生した。

(文・写真 鹿野 智裕)


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2019年07月14日日曜日


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