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<参院選>論戦の陰で膨らむ市区町村事務費 消費税増税対策でプレミアム商品券発行

 10月の消費税増税に伴う景気対策で、プレミアム付き商品券の発行を担う市区町村の事務費が膨らんでいる。消費税増税の是非を巡って与野党が論戦を繰り広げる参院選(21日投開票)。その陰で、券面の上乗せ部分が大半を占めるとみられていた商品券発行の関連経費は増加し、事務費が3分の1を占める見込みだ。
 関連経費には券面の上乗せ分に加え、商品券の作成費用、購入引換券の印刷代や郵送代、人件費などの事務費が計上される。東北6県の県庁所在市の関連経費内訳と発行対象人数は表の通り。全体額の3割前後が事務費だった。
 国の下請けで膨大な作業を強いられる自治体の多くは、商品券の発行を外部委託する方針だ。
 県庁所在市も福島を除く5市は地元の商工団体などに委託した。ただ、福島は「本人確認などが煩雑」などの理由で民間団体から受託を断られ、作業の全てを自前で負担せざるを得ないという。
 参院選では、与党が消費税増税による子育て対策や社会保障の充実を訴えているのに対し、野党は税率引き上げの凍結や中止を主張。痛税感の緩和策は軽減税率やキャッシュレス決済のポイント還元に焦点が当たり、商品券発行はかすみがちだ。
 その一方で政府は、さみだれ式に商品券を購入できる世帯の要件を拡大。9月ごろに始まる購入引換券の発送に向けて準備作業がヤマ場に差し掛かっている自治体は、事務の変更や追加を求められている。
 奥州市では、関連経費を盛り込んだ予算案で対象世帯を少なく見積もっていたミスが発覚。市議会に提出した予算案を急きょ取り下げ、改めて提出し直した。
 関連経費は自治体の事務費も含めてかかった分だけ全額を国が補助する仕組み。財政のモラルハザード(倫理観の欠如)を国が助長しているとの声も上がっている。

[プレミアム付き商品券] 住民税非課税の低所得者や子育て世帯を対象に発行する、地元の商店や飲食店で利用可能な商品券。2万5000円分を2万円で販売する。5000円の上乗せ分は国の負担。事務費も含めた関連経費の予算総額は約1900億円。


2019年07月15日月曜日


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