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<震災遺構>被災住宅残った基礎、津波の脅威伝える 来月2日から公開

一般公開される住宅基礎群。津波の威力のすさまじさが一目で分かる=仙台市若林区荒浜

 仙台市は16日、東日本大震災の津波で流失した住宅の基礎だけが残った若林区荒浜の一部エリアを、震災遺構「仙台市荒浜地区住宅基礎」として8月2日から一般公開すると発表した。近くの震災遺構「荒浜小」とともに、津波の脅威や震災前の暮らしを伝える空間として活用する。

 公開対象は深沼海岸西側で鎮魂のモニュメント「荒浜記憶の鐘」に隣接する約0.5ヘクタール。震災後の防災集団移転で市が取得したエリアの一部で、住宅6戸の基礎部分が残り、津波による浸食で生じた大きなくぼみが3カ所にある。
 市は津波の威力を実感できるよう、住宅基礎などの遺構にはほとんど手を加えず、ありのままの姿を公開する。駐車場や見学通路は整備し、津波のメカニズムや震災前の荒浜の生活、被災後の状況を写真や証言で伝える説明板を設置する。
 見学は自由で入場無料。スタッフは常駐しないが、荒浜小の管理事務所に事前連絡すれば、ガイドを務める市嘱託職員が住宅基礎群も案内する。
 貞山運河が流れる荒浜地区は震災前、約800世帯2200人が居住。市内唯一の海水浴場があり、自宅敷地を臨時の民間駐車場に開放する住民もいた。
 津波で地区の集落は跡形もなくなり、190人以上が犠牲になった。2014年、市の有識者会議が荒浜小と住宅基礎を併せて保存し、震災遺構の価値を高めるよう提案。市は住民や所有者の意向を確認しつつ、公開に向けた準備を進めてきた。
 市によると、岩沼市も千年希望の丘で6戸の住宅基礎を公開しているほか、04年の新潟中越地震の被災地、新潟県小千谷市も基礎を遺構として残している。
 郡和子市長は16日の定例会見で「津波の恐ろしさだけでなく、人々の暮らしや地域の記憶、震災の経験や教訓をより深く感じてもらえると期待する。防災・減災の重要性を発信する場になればいい」と語った。


2019年07月17日水曜日


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