宮城のニュース

志津川湾の藻場保全へ南三陸町が調査 船上から湾内全域網羅

船上からピラミッド形の器具を海に入れて調査を行う

 宮城県南三陸町が、昨年10月にラムサール条約に登録された志津川湾の藻場調査に乗り出した。湾内全域を網羅する調査は初めて。潜水調査ではなく、船上からカメラや衛星利用測位システム(GPS)を使った効率的な方法で実施。海藻や海草の生育分布などを把握し、多様な生物を支える藻場の保全につなげる。

 志津川湾は寒流と暖流が混ざり合い、アラメやマコンブなど200種類以上の海藻が生息する。国天然記念物の水鳥コクガンの餌となる海草アマモが生え、重要な越冬地になっている。町の沿岸5793ヘクタールが海藻藻場として国内初の登録湿地になった。
 調査は電力中央研究所(東京)に委託。小型カメラと水深計を取り付けたピラミッド形の調査器具を海に沈め、1平方メートルの海底を撮影する。GPSで調査地点の情報を記録し、解析ソフトを使って海藻と海草の種類ごとに分布や量を示すマップを作る。
 同研究所上席研究員の本多正樹さん(58)は「潜水では狭いエリアの断片的な調査しかできなかった。今回の手法によって、短時間で広範囲な調査が可能になった」と話す。
 調査は5月末に始まり、海藻や海草の大まかな分布を把握する調査は終了。現在は主要な藻場で海藻などの量を調べている。志津川、歌津、戸倉の3地区の沿岸部6カ所が対象で、1カ所の調査で約120地点を撮影する。調査結果は9月までにまとめる予定。
 志津川湾は東日本大震災後、ウニが海藻を食べ尽くす「磯焼け」が問題になっている。町自然環境活用センター研究員の阿部拓三さん(44)は「海藻の分布を把握できれば、重点的に保護する場所が分かる。調査結果を藻場の保全や管理に役立てたい」と語る。


関連ページ: 宮城 社会

2019年07月17日水曜日


先頭に戻る