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<参院選東北 論点・争点>制度安定か生活救済か 年金問題で与野党せめぎ合い

東京都内で開かれた老後の収入と支出について考えるセミナーの会場を背景に、金融庁金融審議会の報告書タイトル(右上)と不足額に関する記述部分(右下)のコラージュ

 政権党の社会保障政策を担うエースが「人生100年時代」の年金制度を訴える。
 「70歳を過ぎても元気に働く人は多い。働きながら年金をもらうと減額される今の制度をなくす」
 
●「勝てば実現」
 自民党厚生労働部会長小泉進次郎が11日、岩沼市で語り掛けた。
 金融庁の審議会報告書に端を発した老後資金2000万円不足問題は、年金を主要争点に押し上げた。
 「2000万円問題は改革を国民に訴える好機」と言い切る小泉。「選挙区で勝てば、実現に近づく」と懸命に理解を求めた。
 青森選挙区(改選数1)の自民現職滝沢求は13日、青森市の街頭で「働き方が多様化し、社会保障も変化が必要だ」と強調。「老後の生活設計に合わせ、受給時期を一人一人が決められる制度に見直す」と力を込めた。
 今回と同じ亥(い)年選挙の2007年参院選で、当時の第1次安倍政権を「消えた年金」問題で追及した「ミスター年金」が、今回も気炎を上げた。
 立憲民主党代表代行の長妻昭は5日、青森県五戸町でマイクを握り「高齢世帯のうち、生活保護受給世帯は半分を超えた。生活保護が年金の代わりになりつつある」と指摘。「老後生活の改善を議論しないといけないが、与党はふたをしている」と批判した。
 「国民年金受給者は節約に明け暮れている」。滝沢と争う立民新人小田切達は10日、東通村で年金生活者の窮状を語った。「年金は働けなくなったお年寄りが生活するための制度。今の制度を抜本的に組み替える必要がある」と言う。
 制度の安定か、生活者の救済か。与野党がせめぎ合う。

●現役の声代弁
 首相安倍晋三は13日、青森市で「野党は財源を示さず不安をあおっている」と野党を攻撃。「経済政策で年金を守り、増やすことは可能だ」と自信を見せる。
 宮城選挙区(改選数1)の立民新人石垣のり子の応援で9日、仙台市に入った共産党委員長志位和夫は「制度が安定しても、国民の生活が破綻すれば何のための公的年金か」と攻勢を強めた。
 石垣も13日、仙台市青葉区で街頭に立ち「現在、年金で生活している人はもちろんだが、私たちの世代も年金がどこまで出るか分からない」と現役世代の声を代弁した。
 石垣と事実上の一騎打ちの自民現職愛知治郎は4日仙台市内で、10月に予定する消費税率引き上げを踏まえ「年金・社会保障に不可欠な財源。なくせば年金制度は破綻し、社会は混乱する」と訴えた。
(敬称略)


2019年07月17日水曜日


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